なぜ現場の仕事では肩のはらない企画がうまくいくのか?

本日はGreenのクライアントサポートをやっている平井が「現場の仕事」で使える企画について、お送りします。
ベンチャー界隈には、「仮説検証」や「ABテスト」など改善を繰り返しプロダクトを形成していくための方法論がどんどん成長している。
過去に新規事業をやっていた僕としては「リーンスタートアップ」とか、ビジネスシートといったフレイムワークがあることの恩恵を死ぬほど受けていた(ほんとに助かりましたw)。
呼び方は多々あれど、シンプルに言うと、「じっくり分析し仮説を考え」「仮説検証をする準備をし」「結果を統計的に判断する」というようなものだ。
このやり方は正しいし、エンジニアや企画者などのプロダクトを作る人にとって素晴らしい方法論であることには間違いない。弊社もプロダクトの改善チームはそれらの方法をガシガシ使うことによってものすごいスピードで改善を進めてくれている。

一方で、僕が現在やっているクライアントサポートという現場の仕事では勝手がちょっと違ってくる。(※注意!ここで言う現場とは、「お客様と一緒にする仕事」的な意味で捉えてくださいね!エンジニアも現場だと思いますが、今回はちょっと違う意味なので)

基本的なお仕事はお客様のサポートになる。Greenに掲載をして採用をしていただくために出来るだけ寄り添ったお仕事をしなければならない。分からないことに対するお問い合わせがあれば当然、それを優先的に行い、トラブルが起こってしまったら真っ先にお客様の対応を考える。

そう、企画を考える時間、考えた企画を実行する時間というのは常に優先度が下げられ、限りなく少ないのだ。イメージとしては90%くらいは通常のお仕事をしながら、それでいて改善を進めていく必要がある。(仕事が遅いから時間がない!という話は一旦置いておきましょうw)

先ほどの方法論で言うと、

ステップ1、「じっくり分析し仮説を考え」…おいおい、お客様待たせてる暇はないぞ、そんなことより、問い合わせ対応しろ〜〜笑、、で先に進まないのである。(極論ですが)

ということで、長らく現場の仕事をしていると上記の改善方法がうまくいかない理由がわかってきたような気がするので、ちょっと整理してみる。(あくまで個人的な意見です!もっと上手くやれる人はいるのかもw)

 

 

  • じっくり考える時間はない(前述の通り)

 

ただ、それでも頑張って夜中や土日に「よし考えよう」と思って腰を据えて考えることはできる。しかし、、、そのような案は過去ことごとく、失敗に終わってきた。言いすぎかもしれないが、ほんとに基本的にはうまくいかないw

 

なぜか、

  • データ不足でちゃんと考えられないw。これは個々の能力にもよるが、分析できるほど定量的なデータは揃ってないことが多い
  • 案を考えても案を実行する時間はそんなにない。そもそも前提である、90%の仕事をやりながらということを忘れてしまう。「毎日30分やって下さい」っていうようなことでも結構崩壊するパターンが多い。人間はそんなにマシーンのように継続できないんですよね。。w 意志が弱いと言われればそれまでですが、チームメンバー一人ひとりにはそれぞれの理由があるので、それを無視して一律で変更するのは結構たいへん。
  • 一人ひとりのお客様はそう簡単に動いてくれない。お客様関連の仮説検証であればなおさらだ。思ったことの20%くらいしか動いてくれないと思ったほうがいいかも。お客様からすると当たり前で、結構忙しいのに、わざわざ僕らのためにペースを合わせてくれることはかなり難しいと思う。
  • サンプル数は基本一桁と思ったほうがよいw。最低200の母数で統計的に分析….?。。すみません、現場ではそんな数のサンプル数に出会いません!
  • ABテストはできない。お客様に差をつけることは難しい。ABテストでは、「他の条件は一緒で調べたいことだけ変化させる」とよく言うが、他に影響する要因が多すぎて、現実的には他の要因の要素を排除して分析することはかなり厳しい

そんなこんなで、実際にやってみるとうまくいかないことが多く、「肩のはった企画だったね。。ごめんw」みたいなかんじで終わることが多かったのだ。

※感が良い人はお分かりになるかもしれませんが、「現場外の人に任せればよいのでは?」というのもちょっとずれることが多いな思う。現場感がないことは上記のような色んな意味で結局難しいなど思う(もちろん程度の差はあるので、現場の近くの人にやってもらうという案はある。それはそれで、今回は議題にはしないけれど)。

じゃあどうすればよいのか?

誤解を恐れずに言うと、「肩のはらない企画をする」ということのように思う。

そう言うと、お前はしっかり考えていないのか!と言われそうになるが、、笑、、ちょっと違う。
そんなにじっくり考える時間はないし、新しいことをやる時間もない。

だからできることから少し改善をする

ただし、(ここは強調したいけれど) 継続することが大切!ず~~~っと時間をかけて改善をし続ければ、後で振り返った時に大きな変化になっている。

ここで、「肩のはらない企画」のポイントをまとめると、

【小さく更新する】※ちょっと例が社内のものなので分かりにくいかもですが、、

  • 例えばサポートで使っている資料はおそらくもう10回以上も改善をしている。しかも思い立った時に30分くらいの時間をかけて改善し、それを繰り返しているのだ。
  • 自分たちの管理シートもそうだ。Googleスプレッドシートを使って日々の業務管理シートを作成しているが、気がついた修正はすぐに直せることがスプレッドシートの良い所。ちょっとでも意見が出ればそれを元にササッと改善してしまう。
  • お客様のための分析用のツールもそうだ。お客様に言われたアイデアを何度も何度も加えていって、おそらく20回以上は改善を繰り返している。

なんでもやった後に気がつくことのほうが多い。そのリアクションを見て改善すれば良い

【結果を感度良く見極める】

そもそも分析しようにもサンプル数は少ないので、その少ないサンプルから想像をふくらませる必要がある。

  • お客さんがわざわざ「質問する、意見を言ってくれる」ということの重さを知る。そもそも質問や意見を言うということは結構めんどくさい。例えばサービスを受けていて、何か気になったことがあったときに、わざわざ問い合わせることをする人ってそんなに多くはない(よっぽどクリティカルな問題は別だけど)。つまり一つの意見を聞くと30くらいの隠れた意見があるはずだ。こう言うとゴキブリみたいだけど、、氷山の一角のイメージです。。つまり、聞いた意見は多くの見えない意見の中の代表値だと考える
  • 反応がないということも一つの反応である。何か良いと思ってやったのに何も回答がない場合、もしくは「ふーん」という感じのリアクションだった場合は、ダメってことw。

現場で企画をやる人は時間のなさと、分析のしにくさに歯がゆい思いをするものだと思う。

また、頑張って考えれば考えるほど、それが裏目にでて、失敗することを僕は何度も経験してきた。
一方で小さい工夫は本当に後にも残る根強いものだと感じる。現場感はやっぱり重要だ。
その積み重ねで結果が大きく変わるということを想像して日々改善をして行きたいと思う。

ABOUTこの記事をかいた人

平井 雅史

アトラエに2009年新卒入社。 新規事業→Greenクライアントサポート部署をまたぎ、多くの企業様の採用課題に対してアプローチをしている。 趣味はゴルフ、子育て、書道。