組織で想像力を育む

こんにちは、Wevoxチームの森山です。今日は強い組織を創る為に必要な「想像力」について書きます。
皆さんは、想像力と聞くとどういうものを連想するでしょうか?

・未知なるものをイメージする為に使うもの?
・人によって想像力が豊かだったり、乏しかったりする?(個人のスキル)
・経験の数に応じて比例するもの?
・・・

色々とイメージが湧いてくると思いますが、この想像力こそが強い組織、エンゲージメントが高い組織を創る上で不可欠な要素だとWevoxを創りながら感じています。そしてこの想像力は、人によって差はありますが、組織で育むものだと感じています。

例えば僕が、いきなり異文化の会社に入って、「もっと想像してくれよ」と言われても、僕の想像するものと皆さんの想像するものが違い過ぎる・・・となってしまい恐らく自分の持っている想像力は大部分が使えない可能性があります。

COVID‑19以降、益々想像を働かせるのが難しい時代となり、社会での意思決定の理由や背景が不透明だったり、正解のないものにある種個々人の感覚で意思決定しないといけない場面も増えています。組織づくりにおいても社会構築主義という考え方が広まるにつれて、セオリー通りの施策や意思決定をするよりも対話や文脈の価値が増えてきています。

とある会社では、「役職がないことはフラットで素晴らしい」と捉える一方で、「役職がないと役割分担がしづらくて仕事がしづらい」と捉える会社があります。前者の方々は、役職とは上下関係であり、会社の中で誰が偉い、偉くないを決めるものと想像するのに対して、後者の方々は、役職とは適切な裁量に基づいて意思決定する為の役割分担と想像しています。

少し前までは、この想像力が概ね同じ方向を向いていたため、多くの組織で同じような施策を打っても上手くいくという話が合ったのだと推察しています。一方で現代は、VUCAと呼ばれる時代背景や、Z世代、ミレニアル世代など、年代によっても異なるというのが至るところで叫ばれてます。つまり、その組織にどういった想像力が育まれているかが、良い施策と悪い施策を分けうるということになります。

ここまで読んでいただくと、組織によって良い施策と悪い施策を理解して、選んでいくべしと聞こえがちですが、そうではありません。必ずしも良い施策を選べば、組織が上手くいくのか?というとこれはまた別の話になります。

例えば、アトラエのような会社が、「どうしても実行スピードを早めたい。その点においてはフラットよりトップダウンの方が良い。トップダウンの形を取り入れよう」となることはいつかあり得るかもしれません。この場合、組織の中での育んでいきた想像力とは異なる意思決定になるので、「いやいや、トップダウンにするってことは上下関係が崩れるし、アトラエの良さがなくなるではないか?」という反論がくることは容易に想像できます。

さてこの時大事なことは何でしょうか?フラットかトップダウンかという話をしたい訳ではなく、その戦術や方針に耐えうる、想像力を育んでいくということが最も大事であると感じています。

例えば、
・何故トップダウンに変えるのか?という理由をきちんと説明する
・改めてアトラエが目指す先や経験理念を問い直し、既存のトップダウンに対する組織が持つ理解や想像を変えていく
・対話や思考を通じて、一人ひとりが想像することで、新たな想像力を育んでいく

意思決定をする立場の人は、意思決定のプロセスを通じて、その人なりの意味や文脈を持ち合わせることができます。一方で意思決定を伝えられる側は、そのプロセスを経ていません。ここに想像できる範囲の差が生まれ、リーダーとメンバーのすれ違いや誤解が起きる。組織やチームで想像力を育まなかったが故に、すれ違いや誤解を招き、結果として空中分解が起きる。

最近はWevoxの事業の話も含め意思決定する場面が増えてきていますし、人数に比例して、決める側と伝えられる側の差がどんどん開いていきますので、想像力をどう育んでいくかがめちゃくちゃ難しいなと感じてます。(アトラエの場合は場面に応じて意思決定者が変わりますが)プロダクトの機能1つ取っても、想像力の土台によって1つの発信が全く異なる受け取られ方になります。

言葉で書くと簡単なのですが、組織やチームが何処まで想像できるか?というものは目に見えないので、なんともコントロールが難しい。伝える側が意識をしすぎれば冗長な説明や莫大な時間がかかり、意識をしなければ、想像力が欠如していく。

最近こんなことを考える中で僕なりの結論としては、

・組織の中で、互いの信頼関係を築くこと。違和感を感じたら、きちんと声を上げたり、意見を言える関係性を創ること。
意思決定を行う人/伝達する人(アトラエでは全員ですが)は、組織の想像力を育むことに責任を持つこと。
・意思決定を受け取る時には、常に想像力を働かせること。強い違和感を持ったら、組織の想像力の範疇を超えている可能性があるので、大チャンス。対話をして組織の想像力を育むきっかけにすること。

こんなところに落ち着いています。想像力を育みやすくする為に、組織の理念やカルチャー、指針などが存在するんだろうなとも最近感じています。すべてが完璧に伝達できる訳ではないからこそ、話す側、聞く側が歩み寄る姿勢も大事だと感じてます。そのためには日頃から、相互に信頼関係を築いていくことが大事です。時代が変わっても、人が協働する上で大事な要素は変わりませんね。

自戒も込めて僕自身は意思決定をすることが多いので、

・何をするかよりも何故するか。をきちんと伝えること。
・自分も相手も想像力には差があるということを前提にすること。組織で育くむことを大事にすること。
・異論や違和感にはきちんと耳を傾けること。むしろ成長のチャンス。

を大事にしたいなと思いました。

今日は組織における「想像力」について書いてみました。目に見えないからこそ、いつでもそこにあると考えずに、常に育んでいけるような組織づくりチームづくりをアトラエでもWevoxでもしていきたいなと思った次第です!

ABOUTこの記事をかいた人

森山 雄貴

2012年のアトラエ新卒入社。入社時から、転職サイト「Green」の開発に携わる。2016年より組織改善プラットフォーム「wevox」を立ち上げ、邁進中。