自分の「勇気」を育てよう

こんにちは。

Greenクライアントサポートチームの和田が担当します。

今回はよく言われる当事者意識の話から、その実践に必要だと日頃感じている事を書いてみようと思います。

 

よく言われる当事者意識

 

「当事者意識を持て」という教え・考え方は、世の中で広く大切にされていると思います。
表現は違えど、「当事者意識」を「オーナーシップ」「経営者視点」「主体性」などに言い換えたものもよく聞きます。

また、「当事者意識」と言われるときに、その求められる範囲はチームのプロジェクトや属している事業というサイズを超えて、会社全体というサイズ感で言及されることも多い印象です。

アトラエも例に漏れず、会社全体ひいては関わる人々の幸せに対して、当事者意識を大事にする組織です。
Atrae Standardという社内の行動指針に「Atrae is Me.」というコア・バリューがあります。

これは「アトラエを理想の組織にしていくというコトに対して、強い責任と意思を持って自分が当事者になろう」という考え方で、みんなで大事にしています。

これを実践し磨き続けている事こそがアトラエの1つの強み・良さだと思うのですが、これを日常的に意識し、その上で意識だけに留まらせず実際の行動に移していくことは、それなりの難しさがあると私は思っています。

 

実際の行動に移す難しさの正体

 

難しさの正体は人によって千差万別だとは思いますが、私が思う難しさを敢えて3つに絞ると、異論の余地が多分にあると思いますが、以下のようになります。

 

①常に個人よりチーム、チームより事業、事業より会社という上位レイヤーを俯瞰し続けること

②当事者意識が働くに足る情報のインプット

③当事者意識を行動に移すときのちょっとした勇気

 

①について補足すると、例えば自分の業務が忙しかったり難易度が高かったりすると、自分の業務しか見えなくなることがあると思います。

本来であれば、自分の業務が会社のビジョン実現にどう繋がっているかというロジックを見出すべきです。
その俯瞰する目があるからこそ、ビジョン実現から降ろしたときに、

「本当に自分の業務遂行レベルで足りるのか?もっと別の上手いやり方はないか?」
「実は本当に重要な別の仕事ができていないのではないか?」

などなど冷静に考えることができます。
(実際はビジョンだと大きすぎる場合があり、「事業の戦略」レイヤーからの俯瞰が多いです。)

しかし、忙しさを言い訳にそれが見えなくなってしまうことがあります。

②はそのままですが、当然、知らないことに対して当事者意識を持つことは難しいです。
水質汚染の問題を知らない状態で水質汚染に当事者意識を持った行動をとるのは難しいのと
同じです。
だから、いま現在もしくは将来会社で起こっている課題は何なのか、常にアンテナを張っておく必要があります。

そして特にこれは自戒ですが、実は③が絶妙に足りないシーンが意外にあるんじゃないかと
私は感じています。

①と②については、リテラシーを鍛え、日頃から自分の意見を持ち、視座の高い人との意見交換やコミュニケーションを増やすなどの「具体的な行動」によって補強することはできそうです。

しかし③はほとんど「心持ち」の問題です。

例えば、敢えて非常に些細な例で言うと、社内の先輩に「これは良くないのでは?」と思うような言動が見られたとします。
さらに、それに気づいているのは私だけだとします。
当事者意識を持てば、関わる顧客の信頼を裏切らないためにも、先輩に注意・フィードバックした方が良い状況かもしれません。

ただ、しょーもない雑念が頭を過ることもあります。
「まあ言っても結構細かい事だから、気になるのは自分だけで他の人は気にならないかもしれないからわざわざ言うことでもないかな。」とか、もっと最悪な考え方だと「俺もできてないことあるし、俺に言われる筋合いはないよな。」とかとか(笑)

しかし本当のところ、自分がどう思われるかとか、相手の受け取り方とかはどうでも良いと思います。
あくまで自分の言動が「会社にとって少しでもプラスになる可能性があるかどうか」を行動基準にするべきで、ピュアに「良くない」と思ったら遠慮せずに「それは良くないと思います」と伝えるべきです。
(もちろん、遠慮はせずですが、言葉や態度は配慮するという大前提はあります。)

一度雑念が入ってしまうと、行動に移すときにちょっとだけ勇気が要るシーンもありますよね。
(いまではもう大丈夫ですが、少なくとも私は神経質で厳密な性格も助長して、昔はよく勇気の必要性を感じていましたw)。

例が少し些細すぎたので、もっと大きな例で言うと、例えば既にこのブログの過去エントリーでも紹介があったと思いますが、社内初のデータサイエンティストに転身してデータサイエンスチームを立ち上げた人もいれば、Flatterという技術に着目してゼロからキャッチアップしてアトラエにそれを実装した若手もいれば、冒頭で紹介したAtrae Standardを刷新&浸透させるべく中心となって難しい議論や試行錯誤を日々繰り返している人もいます。

このように、会社の未来に対して当事者意識を持ち、そこに勇気を持って行動した結果大きな価値を生んでいる事例は社内にたくさんあります。

 

あまり言及されないけど「勇気」を育てることは大切

 

人間は全知全能じゃないので、大きな挑戦をするときにできない理由が先に浮かんでしまうこともあるし、巻き込んだ仲間に大迷惑を掛けてしまうかもしれないという不安などもあると思います。
なので、データサイエンスチームを創った本人も、Flatterに挑戦した本人も、最初から100%成功する自信があったわけでもないだろうと推測しています(直接本人には聞いてませんw)。

それでも、ピュアに「これは会社のビジョン実現のために必要だ」と考え、それこそ勇気を出して手を挙げたのだと想像しています。
(上記のような例では、その勇気の裏側にある努力の積み重ねや自信があったからこそ手を挙げられたという場合もあると思いますが。)

もちろん、そもそも原理原則本質論で言えば、

「100%この会社は俺が変えるという覚悟が練り込まれていれば、そもそも勇気など不要だ」
「本当に当事者意識が強ければ、無条件で行動できるはずだ」

などいろいろな声があると思います。

それはその通りだけど、全員が全員、最初からそんなに強いとは正直思いません。
勇気がないと行動できないということではなく、自分の心理的ハードルやキャパシティを少し超えるような行動や、合理だけでは白黒つかない意思決定をとるべきときに、勇気が必要であるということを言いたいのです。
勇気の後ろ盾のおかげで千載一遇のチャンスをモノにした人は、ビジネスでもスポーツでもたくさんいるはずです。

もし「自分ちょっと勇気足りてないな」と思う人がいれば、些細な部分からでも良いので、「これはきっと会社のためにプラスになるだろう」とピュアに思うことは、勇気を出す練習のつもりでガンガン行動に変えるべきです。
そうやって勇気を育てていくべきだと思います。

一番言いたいこととしては、会社のために誰かが勇気を出してくれるのではなく、自分が出さなければいけない大事な局面もきっとあるはずです。

スキルや自力を磨くことはもちろん重要ですが、今後やってくるであろうその局面に備えて、やはり勇気を育てていくことは非常に大切です。

当事者意識の話からすこしだけ逸れた気がしますが、そんなことを思っている今日この頃です。