Give & Takeとyentaの関係

5年目デザイナーの平根です。  
 
私は立ち上げからずっと、yentaという「ビジネスマッチングアプリ」に関わっています。(参考:https://yenta.talentbase.io/yenta
人と人とが繋がって、思いもしなかった価値や化学反応が生まれる。そんなサービスです。
 
最近、人と人との関係性を考える上で、Give & Take という本のGiverとMatcherとTakerという概念が面白いなと改めて思っています。
 
この本では、人をGiver・Matcher・Takerの3タイプに分け、Giverが最も成功に至りやすい理由とその背景を説いています。  
 
それぞれの特徴は下記の通り。
  • Giver:Give & Takeを相手の利益になるように持って行き、受け取る以上に与えようとする。
  • Taker:与えるより多くを受け取ろうとする。
  • Matcher:与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする。「公平」という観点や信念に基づいて行動する。

ビジネスの世界では人はGiverになりにくい、らしい

本によると、
  • 人は誰しも相手との関係性によってGiverになったりMatcherになったりしており、この3つの線引きは非常に曖昧。
  • 家族や親しい友人など、親密な人間関係の相手と接するときは、多くの人がGiverになり、打算のない助け合いを行っている。
  • しかしことビジネスという領域において人は「Matcher」になる率が高まる。(もちろん相手との関係性によってバランスは変動する。)
    ※ Giverでいることで頼りないとか成果を出せないと思われることを恐れる人もいれば、社員同士の競争・順位付けに重きを置いている職場だったり、同じ顧客を奪い合っているライバルがいるなど、環境要因で接する相手に警戒心を抱くようになるケースもある。
とのことです。

だけれども…?

しかし本の内容に反して、yentaのイベントなどでユーザーの方とお話をしていると、Giver的な精神でyentaを利用してくださっているユーザーさんが多いように感じています。
ビジネス文脈のアプリですが、「普段接することのない相手とフランクに会える」というコンセプトだったり、根底に流れるサービスの思想に共感して利用してくださっている方が多いのかなと、この本を読んで改めて感動してみたり。
 
「ビジネス」のつながりではあるんだけれども、損得勘定抜きで色々な人と交流を持ち、持っているものを分かち合うことで、思いがけず友人になったり、良き相談相手になったり、忘れた頃に助け合うことができたりするような世界はとてもハッピーだなと思いますし、「Giverが成功すると、その成功は周囲に波及する」と言う本の主張を借りると、そういう体験や事象が広がっていけば、世界中に新たな価値が生まれて広がっていくので最高じゃないか!と、そんな思いを改めて抱きました。
 

yentaミートアップの様子

Giver精神の効用は、「心温まる」だけじゃない

しかも、そういったつながりこそが長期的に考えれば爆発的な「成果」を生むというのだから衝撃です。
実際、「人脈」や「弱いつながり」の恩恵を最大限に受けることができるのは、「Giver」なのだそうです。
 
Takerはどこかで「他人よりも多く利益を得よう」と動くことで仲間内での評判を落とし、SNSの発達した昨今ではTakerであることが周知されやすい → 結果、一度作った人脈を持続させたり、新しく人脈を築くことがどんどん難しくなっていく。
他方Matcherは、相手と自分の間での利益配分を均等に保とうとするので、Give&Takeのバランスが同じくらいになるような関係だけに留める傾向があり、交友範囲が狭くなりがちとのこと。
 
つまりはGiverであることで、つながりの「質」と「量」を最大限に高めることができるそうです。
 

価値を秘めた「弱いつながり」を活かせるのもGiver

また、想像に難くないかと思いますが、ネットワークが増えすぎると、全員とアクティブな関係性を維持することが難しくなり、「休眠状態のつながり」が増えて行きます。(知人・友人だけど、ずっと連絡を取っていない相手など。)
 
実はそういった「弱いつながり」にほど、現在の自分にない視点や経験、ネットワークを持っている人が多いため、何かを相談した時に新しい情報を得られることが多く、「相談してためになった」と感じるケースが多いという研究結果があるそうです。
 
「弱いつながり」に何か頼みごとがあって連絡を取るのは、普通であれば難しいのですが、Giverはいつでも「惜しみなく与える」価値観を持っているので、「弱いつながり」にも比較的連絡を取りやすく、相手からも快く協力を得られることが多いのだそう。
 
いいことづくめじゃないですか!?

Giverすごい!!

自分の心理や行動を振り返ってギクッとさせられつつ、Giverかっこいいな、素敵だな、と思ってしまう本でした。
 
私自身は人見知りがちなこともあって、人と新しく知り合うことに尻込みしてしまうタイプなのですが、この本を読んで、人とつながることの価値だったり、弱いつながりの重要性だったり、事例に出てくるGiverの人々の生き方のカッコよさを心底感じることができました。
そしてyentaとGiverの相性が最高に良いということもわかりました。笑
 
人と繋がることの醍醐味を感じながらプロダクトを作っていこうとしみじみ思う梅雨の暮れでした。

ABOUTこの記事をかいた人

平根

2015年卒新卒入社でデザイナーをしている平根です。 教育学部英語英文学科出身ですが、未経験でデザイナーになり、サービス立ち上げ時からずっとyentaチームにいます。 少年漫画と音楽とビールをこよなく愛します。