遠慮と配慮はもちろん別物だが、配慮の中でも二種類あると思った話

こんにちは、Wevoxカスタマーサクセスの清水です。今回ブログは僕が担当させていただきます。

突然ですが、僕がアトラエに新卒入社した時から6年が経ちました。
入社時には26人だったアトラエも、少しずつ新たに仲間になってくれるメンバーが増え、気づいたらもう3倍近くの人数になっています。

僕自身いろんな変化を体験してきたつもりですが、その中でも特にこの一年での変化は、一層大きくて早いものだったように感じています。新メンバーの入社・異動・チームの再編などもたくさんあり、自分が一緒に働くメンバーも一緒に追いかける目標も、事業の変化・進化に伴ってどんどん組織も変化しています。

今回は、そんな変化の激しい日々の中でちょっと解像度が上がった、メンバーに対する「自分なりの遠慮と配慮論」について書いてみようと思います。

先に書いてしまいますが、伝えたいことは、
【同じ配慮でも「良い人で止まる配慮」ではなく「強いチームを作る配慮」が大事だ】ということです。

「遠慮ではなく配慮すべし」は、当然そう。

辞書にある言葉を借りると、「遠慮」とは「人に対して、言葉や行動を慎み控えること」。
「配慮」とは、「相手や物事のことを気にかけること、注意を払うこと」と記載されています。
僕は、「ネガティブな事象を起こさぬよう、行動を控えること」と「ポジティブな事象を起こすべく、思いやって行動/選択すること」の違いと認識しています。

そして、上記のような遠慮と配慮の違いをもとに、「遠慮ではなく配慮を」という言葉もよく聞きます。
遠慮に関しては、結局自分のためだったりすることも多いですし、「自分都合ではなく、相手のために配慮しましょう」という話は誰にとっても大事なスタンスだと思います。
アトラエでも、チームで一緒に何かを進めていく上での基本的な考え方として全メンバー全員が認識していることでもあります。

「遠慮と配慮の違い」や「遠慮より配慮を」についてはよく言われていることですが、僕は同じ「配慮」でも大きく二種類あると思っています。

かなり自分流の言葉ですが(笑)、
「良い人で止まる配慮」「強いチームを作る配慮」の二種類です。

自分がしている「配慮」は何のための配慮か。

それぞれ以下のように切り分けて定義してみています。
(その上で「自分がしているつもりの配慮は、どっちのタイプの配慮なのか」を自問自答してみています。)

「良い人で止まる配慮」とは
・どんな人かの違いに依らない、大凡誰でも喜ぶもので
・相手にとっての”心地よさ/働きやすさ”のために行うもの

一方

「強いチームを作る配慮」とは
・”相手の意志/パーソナリティ”や、”チームの方向性/状況”に合わせて変化するもので
・相手にとっての”働きがい”と、”チームの加速”の両輪に焦点を当てたもの

二つの例を元に、違いについても補足してみます。(伝わってほしい!笑)

▶︎新入社員さんへのフォローをする時だと…

「良い人で止まる配慮」は、
新入社員さんに対して、業務を進める中での不明点や疑問を定期的に確認して、丁寧に回答したり情報共有したりすることに終始することのイメージです。
 ※「一旦、不明点はないです!ありがとうございます!」と言ってもらって、配慮した側は安心/喜んで着地する。

一方で、「強いチームを作る配慮」は
そもそも新入社員さんの入社の背景や、業務内容の不明点以上にチームで働く上での不安やチャレンジがしたいと今思っていることを理解した上で、新たな機会を作ってみたり追加の情報をアレンジすることのイメージです。

新入社員さんにとって親切で喜んでもらえる対応という意味では、前者も決してネガティブではないですが、そこまでで出来事としては終わってしまいます。
後者の場合は、新入社員さんやチームにとって必要な機会(例えば、相互理解の場を増やしたり、これまでのチームの変遷を紹介する場を作ったり etc…)は新たに生まれたり、チームメンバーからの関わり方をチューニングしてみることにつながる可能性もあります。

▶︎チームで定例のMTGをする時だと…

「良い人で止まる配慮」は、
いつもチームで追っている数値の進捗やビハインドしているポイントをまとめ、それをチームメンバーに共有をしながら、実施してほしい次のアクションを示す。また、参考になるような新しい情報を思い出し、メンバーに展開して「認識しておいてくださいね!」といった形で場が終えるものです。
 ※配慮する側は、チームにとって必要なことをしっかりやり切れたと安堵していることが多そう。

一方で、「強いチームを作る配慮」は
それぞれのメンバーやチームの状況を振り返った上で、「改めてこういった共通認識を取り直すために、こんなメッセージ性を強くしてみようかな。」とか「この情報発信をしたら、○○の観点で不安や疑念が出るかもしれないから、長めに対話する時間作っておこう」などのように、少しアジェンダを変えてみるイメージです。
 ※自分なりにどうあったら良いかを、個とチームの両輪踏まえて悶々と考え続けている。

どちらもチームに対して方向性を示すという意味では同じではありますが、後者の方がメンバーが気持ちよくスッキリした状態でチームの目標に対して全力疾走できそうです。

と、僕なりの例を出してみましたが、
「個人とチームの両方をWINにするためにどうなれば良いだろうか」と何かを生み出すために悶々と考え続ける後者と、テンプレートの方法でも「相手のためになった」と安心・満足し思考が停止する前者の違いは、僕はかなり大きいと思っています。

たくさんの出来事が積み重なってく中で、それぞれの場面でそれぞれのメンバーがどんな配慮する組織なのかで、どれだけ人やチームが加速するのかはきっと大きく変わっていくんじゃないかと思っています。

※恥ずかしながら、僕の場合は元々「良い人で止まる配慮」をして満足しがちで、チームを強くするために深く考えられている範囲が狭かったこともあって、今回の違いについてよく考えるようになりました。

「強いチームを作る配慮」ができるように、仲間を知り、考えることに挑戦し続ける。

「じゃあ強いチームを作る配慮を行おう!」と思っても、チームとして成果を出すために何が必要かを考えることはもちろん、関わるメンバーの状況や意志をちゃんと理解しに行こうとすることがどうしても必要になります。

・何か変化がありそうなメンバーがいたらちょっと声をかけてみる。
・飲みの場やランチの場を使ってどんな状況かしれっと聞いてみる。
・MTGの発言や表情を確認して、気づけるタイミングを増やす努力をしてみる。
こんな行動がコツコツ効いてくるのかなと思います。(ちなみに僕はまだまだできていません。涙)

さて、皆さんが「強いチームを作る配慮」をできている範囲はどこまででしょうか。
3人のチームなのか、10人のチームなのか、はたまた事業部を超えてもっと大きな範囲なのか。

もしチームを率いていくリーダーであれば、少なくとも自分が所属するチームの範囲で「強いチームを作る配慮」ができる必要がありそうですし、今後ももっと範囲を広げていきたい人は、自分の今できている範囲・タイミングに向き合い続け、その範囲を広げていく努力が必要です。少しずつでも、仲間を知るための行動と、積極的に配慮・考えてみる瞬間を増やす挑戦をする。そうすると、きっと自然とチームは強くなっていくんだろうなと思います。

なお個人的には、アトラエにおいては一層求められる力なのではないかなと思っています。
管理職はおらず、職種や部署や性別などによる垣根もなく、そしてどんどんPJが変わって関わるメンバーが変化していく組織のため、各メンバーが様々な人に対して頻度高く「配慮」が求められる/挑戦できる機会がきます。そして、その難易度は会社の成長とともに一層高くなりそうです。

ただ、これを全員が高いレベルの配慮をし合える組織になると、とんでもなく強い組織になると思っています。

まずは自分から、ということで、
「遠慮ではなく配慮を」はもちろん、「良い人で終わらず、チームを強くする配慮」ができるように頑張っていこうと思います。

最後は謎に抱負のようになりましたが(笑)、今回はのブログはこれで終わりにしようと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

清水 謙

新卒入社3年目の清水謙です。 Green Salesとして入社し、現在は新卒/中途の採用を担当しています。 小学校4年生から神戸大学の体育会サッカー部を卒業するまで、ずっとサッカーに熱中し続けてきた、サッカーで出来上がった人間です。 組織論が大好きです。