現場に触れて感じたこと ~小布施若者会議に参加をして~

9月7~9日の2泊3日で、小布施若者会議という町おこしの会議に参加をしてきた。
http://obuse-conference.jp/
このイベントは長野県小布施町という町おこしで全国でも有名な町が主催をしている。
この町は栗、葛飾北斎、花を使って30年以上かけて町おこしを続けてきている。

行ってみると分かるが、とてもすばらしい町だ。

今回は町おこしのプランを考えるというイベントだった。
通常の「ビジネスプランコンテスト」と異なるのは、2泊3日という期間を使って、現場である小布施町に直にふれ、実際の町民の方にふれあった上でプランを考えること。自分としてもこれまでここまで「誰かのために」と言うことが明確なビジネスを考えたことがなかったので、とても楽しみな挑戦だった。

実際にやってみて感じたことは、
「現場に出てみてはじめて分かることは本当に多い」
ということ。

まず始めに感じたことは、小布施町を歩いて見学をしたときのことだ。「小布施の街並はとてもよい」ということは本では読んでいたものの、実際に現場に行ってみてはじめてそれを実感できた。
小布施には「外はみんなのもの、内は自分たちのもの」という考え方がある。この言葉を聞いたときは正直当たり前!と思ったが、これは実は「家の中は自分のものだから好きなようにしてよいけれど、家の”庭”はみんなもののだからキレイにしなければいけない」という意味。
実際に小布施には「オープンガーデン」という制度があり、キレイにした自分の庭に自由にお客様に入ってもらうという仕組みができています。本当に町のあちこちにきれいな庭があり、小布施の町の人が町づくりに欠かせない役割を担っていると言うことが分かる。

さらに、ホームステイ先で感じたことは、小布施の人の良さ。
ホストファミリーのお父さん、お母さんのホスピタリティには本当にお世話になった。
面白かったことは、実は「町のやり方に全ての人が協力的なわけではない」ということ。
・町長のやり方に対して反対する人もいる
・市街地の部分と農村部と考え方が少し異なっていて、農村部の盛り上がりがちょっと少ない
こんな生々しい町の実情を見ることができた。

もう一つ印象的だったのは、「小布施」と言う言葉のイントネーションに対する小布施の人たちのこだわり。
「↑オ↓ブセ」は間違いで「↓オ↑ブセ」が正しい。
それがどうしたと言う感じだけれど、町の人たちは正しいイントネーションで発音しない人を若干ではあるが、「ソトの人=小布施に対する理解が低い」と認識している感じがあった。
と言うのも、実際にプレゼンをしていると「君たちのオブセの発音が違う」ということを審査員の人が指摘をしてくる。そしてそのチームはやはり印象がよくない。
なんだか理不尽な感じもするけれど、これも現場ならではの感覚だった。

今回の町おこしプランは36チームで争われ、最終的に、
1位 第二町民
2位 毎日誕生日株式会社
3位 小布施家族会議
と言う案が選ばれていた。

1位の案は、
小布施町以外の場所に住む人が、第二町民になることによって小布施への出入りのコストとなる旅費等を優遇してくれるというもの。
旅費はスポンサーの企業から出されるということになる。

2位の案は、
毎日小布施町のその日の誕生日の人をお祝いするイベントが行われるというもの。これはプレゼンも非常におもしろく、個人的にも気に入った内容だった。

3位の案は、
農業を志す家族が、小布施の町の人のところにホームステイして家族ぐるみで話をすることによって、小布施に住むことのハードルを下げてもらうというイベント。50組くらいの家族を呼び、最終的には2組くらいの家族を就農させられるように持っていきたいということだった。

どれも特徴としては、
・小布施の町の良さを感じてみてはじめて考えることができる案
・小布施の町の問題点を適確に拾った案
・小布施の人たちの雰囲気でしか成り立たない独特な案
であり、どれも町民の人からは大きな拍手が沸いていた。

ということで、今回のイベントでは、
「現場に出ることの大切さ」
を再確認した。

さらに言えば、
「宿泊するくらいに一緒に過ごすこと」
でとても大切なことを学べるような気がしている。

こういう機会はあまりたくさんあるものではないので、できるときには積極的に行ってみると多くのことが学べるなと思った。

ABOUTこの記事をかいた人

平井 雅史

アトラエに2009年新卒入社。 新規事業→Greenクライアントサポート部署をまたぎ、多くの企業様の採用課題に対してアプローチをしている。 趣味はゴルフ、子育て、書道。