”知識”という魔物を倒す武器

久しぶりのブログ更新となります。
2年目の山口です。

さて、今日は【知識という魔物を倒す武器】というテーマで、今半期の反省/自分への自戒を込めて書きたいと思います。
2年目にもなって自分の失敗を晒すのは非常に情けない限りですが、、、どうかお付き合い頂けますと幸いです。

今日でアトラエで働き始めてちょうど1年半になります。
1年目はGreenという転職サービスの法人営業を経験し、そこで学ばせて頂いた経験を活かして現在はB2B(主に企業向け)のマーケティングという領域を任せて頂いております。
世間でもよく言われますが、マーケティングという言葉は非常に広義です。いわゆる”営業”も見方を変えればマーケティングの一環ですし、”事業戦略”も”マーケティング戦略”と同義であることも多いでしょう。
ドラッカーは著書の中で、「企業の目的は顧客創造である以上、企業の基本的な機能はマーケティングとイノベーションの2つしかなく、そのほかはすべてコストだ」と言っています。
ちょっと何言ってるかよく分からないですねw


話は変わりますが、去年の暮れ頃に庭山一郎氏の著作である『ABM〜究極のBtoBマーケティング〜』という本を読み、当時の僕はとんでもない衝撃を受けました。
アカウントベースドマーケティングという概念を知り、その後にインサイドセールスやマーケティングオートメーションという仕組みを知りました。
よくよく調べてみると、B2Bマーケティングの分野は日本ではすごく遅れていて、USは日本の10年先を行っていると言われていたり(商習慣や地理的要因etc)ちょうどアトラエのフェーズ的にもB2Bサービス拡販に力を入れはじめるタイミングだったので、もうこれは神様が自分に与えた使命だ!くらいに思って、猛烈にB2Bマーケティングの勉強に取り組みはじめました。

そんな時です、僕の目の前に”知識”という魔物が現れたのは。


①”知識”は人を傲慢にする
まずファーストステップとして、”知識”が全て正しいように思えてきます。
知識に固執するあまり、自分の説明を理解してくれない人、反対する人は間違っている→敵というロジックが瞬間的に脳内に構築されます。
あろうことか半年前の僕は上場前でとんでもなく忙しい社長をランチに呼び出し、マーケティング戦略についてドヤ顔語り始めました。たぶん相当生意気だったと思います。(当時キレずに付き合って下さった社長に感謝です。。。)
そして社長から一言言われました。「分かった、任せるからやってみてくれ」とw


②”知識”は「知っている」ことを「出来る」ように思わせてくる
結論、メッシのプレーを見てもメッシと同じようにプレー出来ないのと同じで、マーケティングの本を何冊読んでも、マーケティングが出来るようにはなりません(笑)
でも勉強して頭でっかちになってくると「知っている」ことが「出来る」ように思えてくるんですね。
特にBtoBマーケティングの領域はロジックだけは絶対にうまくいきません、いわゆる机上の空論ってやつですw

データの設計からマネジメント、アナリティクス、インサイドセールスとの連携、フロントメンバーとの協力など、まず誰よりも現場での経験、そしてチームからの信頼がないとPJを進めることは困難です。
そしてそこにはロジックだけではない感性やセンスも必要です。扱う商材/チームの特性など様々な変数によって最適解が異なるので他社事例なんか真似ても絶対にうまくいきません。

今思うと、たかが1年間の営業経験しかない僕は、このポジションで戦う資格すらなかったかもしれません。(まぁそんな僕に期待して任せてくれた人たちがいる手前、そんなことは言ってられないのですが)
でもそんあ未熟な僕に「お前なら出来るよ」って悪魔のささやきをしてくるのが”知識”という魔物です。


③”知識”は使い方を誤ると人を傷つける
「死ぬ気でインプットして、やるといったこと全部実行しました。でもその結果予算たくさん使って、思うような成果は出ませんでした」という報告なら、うちの会社ならギリギリやり直しがきくかもしれません。(いや、きかないかもw)
でももっと取り返しのつかないことが世の中にはあります。それはチーム/仲間の信頼を失うことです。

Amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏はプリンストン大学の卒業式で以下のような話をしていました。

彼は幼少期に祖父母の元で育ったらしいのですが、そのおばあちゃんというのがとてもたばこが好きな方でいつも車の中で吸っていたそうです。昔から”学ぶこと”が好きだったベゾス氏はある日『たばこを一口吸うたびに寿命が2分縮まる』という知識を手に入れます。
そして彼はドライブ中、後部座席から祖母の助手席の方へ身を乗り出して、祖母の肩をトントンと叩き、自信満々に言いました。
「おばあちゃん!たばこを一口吸うごとに2分寿命が縮まるんだ!つまり、おばあちゃんの寿命は9年も縮まっていることになるんだよ!!!」と。
たぶんベゾス氏は『よくそんなこと知ってるね!』とか『そんな暗算が出来るのか!?すごい!』と褒めて欲しかったんだと思います。
しかし彼の言葉を聞いたおばあちゃんは、突然泣き出してしまったのです。

。。。

そんな時彼のおじいちゃんはこのような言葉をかけたそうです。

「ジェフ、いつか分かる日が来るとは思うが、賢くなるよりも優しくなる方がはるかに難しいことなのだよ」と。

彼は卒業式のスピーチで以下のように言い換えています。

「Cleverness is a gift, kindness is a choice.
Gifts are easy — they’re given after all. Choices can be hard.」
( 賢さはギフト、優しさはチョイス。与えられることは簡単、でも正しいを選択することはとても難しい)


社会人2年目の僕は優しさ(≒謙虚さと言い換えてもいいかもしれません)という武器を持っていなかったために、危うく”知識”という魔物に殺されるところでした。
”知識”というのは使い方によってその姿を変えます。正しく使えば人を幸せにすることが出来ますが、一歩使い方を間違えると誰かを傷つけたり、敵を作ってしまいます。

「If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.」
(私が遠くを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです。)

アイザック・ニュートンの言葉です。(巨人の肩=先人の知恵という比喩ですね)
学ぶことが好きな人は、常にこのスタンスを忘れてはいけないんだと思います。

最近自分の過去を振り返ることが多いのですが、高校生の時に当時感銘を受けた教育論に関する本を両親に渡して「これ、オススメだよ!」と言ったことを思い出しました。親の心子知らずどころの騒ぎじゃないですね。。。
(恐らくブログを読んでるであろう両親に、この場を借りて謝罪したいと思いますm(_ _)m私的なブログの使い方ですみませんw)

ベゾス氏が6歳くらいの頃に学んだことを、24歳になってやっと気づくなんて、改めてそこにとてつもない距離を感じます。
でもいつの日か、自分もあのスケールでビジネスを展開し、世界にとてつもなくポジティブな影響を与えられるようになりたいので、これからも貪欲に学び、ギフトに感謝の心を忘れずに、正しいチョイスをしていきたいと思います。

未熟で拙いブログでしたが、最後までご一読頂きありがとうございます。
引き続きアトラエを宜しくお願い致します。

ABOUTこの記事をかいた人

山口 真太朗

新卒2017年入社の山口です。 最近はyentaというビジネスマッチングアプリの行動ログやマーケティング関連のデータ分析等をしています。 趣味はサッカーで好きな選手はフランチェスコ・トッティ。好きな解説者は粕谷秀樹さんと早野宏史さんです。 あと漫画と麻雀が好きです。