大義を忘れずに仕事すること

今回は新卒4年目の和田が担当します。

最近、激しく感動して久しぶりに泣いてしまったドラマに出会いました。
2009年にTBSで放映された佐藤 浩市主演の『官僚たちの夏』です。

どれくらい感動したのかと言いますと、

「どんな男に憧れる?」と聞かれたら「『官僚たちの夏』に登場する風越(かざこし)のような男。」と答えます。

「どんなビジネス人生を送りたい?」と聞かれたら、「『官僚たちの夏』で描かれている官僚たちのように、大義を持って多くを背負い、持てる情熱を注ぎ込みたい。」と答えます。

それくらい影響されていますw
もともと言語化も具現化もせずになんとなく理想として持っていたものがドラマとして映像化されている、そんな感覚になりました。

ドラマの舞台となっているのは、戦後の高度経済成長期の通産省(現:経産省)です。
戦後、日本が急速な経済発展を遂げて、貧しい敗戦国から、一気に世界の先進国と肩を並べる経済大国へ進化していく中、その裏で日本のために仕事に魂を売った通産官僚たちのアツい物語です。

物語の詳細はもちろん省きますが、とにかくキーワードは「大義」に尽きます。

いろんな通産官僚がいて、主義主張も異なります。
繊維産業一つを取っても、「まずは保護貿易を貫いて国際競争力を付けてから自由貿易化に踏み込むべきだ」という主義の官僚もいれば、「いやいや、最初から自由貿易化して外資企業に揉まれることで繊維産業は強くなるんだ」という主義の官僚もいます。

「俺の政策こそが、日本を一流国にするんだ!」と官僚たち各々が信じています。

自分の政策案を通すためには、その中身の正しさだけが評価されるのではなく、どうしても省内政治に突き進む必要があったりします。
(むしろ、正しいかどうかなど誰にもわからない感もある。)

省内政治に没頭しているうちに初心を忘れ、いつの間にか大義を忘れ、合理や上様の意向だけを是とし、国の損得ではなく個人の損得だけに走るようになる官僚も描かれているのですが、物語の途中で「結局、お前は日本をどうしたいんだ?」と問われ、その官僚が改心していくシーンがあります。

主義主張は異なるけど、「日本を一流国にして、日本人の誇りを取り戻す!」という大義だけは共通している、そんな当時の通産官僚たちが描かれています。

最後は、個人の損得ではなく、大義に立ち返り、国の損得を重要視するようになっていきます。

「お前は日本をどうしたいんだ?」

この問いは、「お前はアトラエをどうしたいんだ?」に言い換えることができます。

アトラエが大事にしているフィロソフィーを守りながら、ビジョンを達成したいという大義があります。
個人的なイメージで言うと、利害関係が一切ない人ですら「アトラエって素晴らしい会社だよね。」と言っていて、それが世界規模で言われている状態。
まだ抽象度高いかもしれないけど、ざっくり言うとそんな状態が「世界中の人々を魅了している」状態だと個人的には考えています。

例えばブラジルのサッカー少年や、フランスのブドウ畑の農家や、ドイツの自動車整備士がそれぞれの言語で「アトラエっていう会社は素晴らしいね!」と言っている。
彼らはそれを言っている時、まだ顧客でもないし、株主でもないし、もちろん社員でもない。そんな状態ってピュアに自分たちの仕事、チームに誇りを持てるし、痺れる人生だなと。

ただ、当時の通産官僚のように「俺の政策こそが、日本を一流国にするんだ!」というレベルで、「俺の戦略こそが、アトラエのビジョンを実現するんだ!」と思えているだろうか?!

担当している事業においては、たくさん意見はあるし変えていきたい部分はあるけど、「お前はアトラエをどうしたいんだ?」という一点に関しては、そこに具体性や計画性が欠けているし、通産官僚のように頭と手と足を動かしまくってインプットしまくって考え抜けている感覚もないし、まだまだふんわりしているな、とハッとして結構焦ったのを覚えています。

興味ある方は実際にドラマを観ていただきたいのですが、当時の通産官僚は状況が状況なので、常に自分たちが判断を誤ることで路頭に迷ってしまう多くの日本人がすぐそこにいたし、良かれと思って下した判断も「あっち立てればこっち立たず」で、新聞で毎週のように大バッシングを食らったりします。とにかく自分たちの仕事が良くも悪くも世の中にダイレクトに跳ね返っている感覚、リアリイティがあったはずです。

そのリアリティが、官僚たちを必死にさせ、身を粉にしてでもやり遂げるパワーに変えていたことは想像に難くありません。

一方で現代のビジネスマンはどうか?特に自分が属するIT・インターネット産業ではどうか?
誤解を恐れずに言えば、少なくとも当時の通産官僚たちと同じレベルでリアリティを感じるのは難しいと思います。

けど、いくら環境や状況が違えど、大義があるのであればそれを言い訳にしてはいけないとも思います。

そこで最近よく思うのは、身近の守るべき人、魅了するべきファンを感じることで、意識的に自分の仕事が世の中にダイレクトに跳ね返るリアリティを感じることが極めて重要だなということです。

最近の例で言うと、facebookで一切仕事関連の投稿をしたことがなかった私の友人が、Greenで転職に成功して、いまでは楽しそうにfacebookに仕事の投稿をしています。
久しぶりにmessengerで「和田がGreen創ってるのか。まじでありがとう。」とメッセージが来て、Greenに対するフィードバックまでくれました。
まだ自分がGreenを創ったとは胸を張って言えないけど、「これが俺の仕事か。。。!」と思いました。

もう一つの例。
会社名は言えないですが、最近、家の近所にオフィスを構えるスタートアップがGreenに参画して、すぐに優秀なエンジニアを数名採用。現在もそのエンジニアたちは大活躍していて、Greenの営業担当に温かい感謝のメッセージを送ってくれました。
私は犬の散歩でよくそのオフィスの前を通るのですが、その度にどうしてもその会社を意識してしまうし、ちょっと嬉しい感情が蘇ります。

まだまだあるのですが、最後にもう一つの例。
私の友人が某超有名メーカーに勤めていた頃、彼が起業を考えていたところに私がyentaを紹介し、なんとyentaを活用して共同創業者と出会って起業し、いまもめちゃめちゃ楽しそうに事業創り、組織創りをしています。しかもわざわざ勉強会まで開いてくれて、前職での営業ノウハウをGreenのセールスチームにレクチャーしてくれました。
これも本当に嬉しかった…

このように、意識的に近くの魅了すべき人、自分の仕事によって価値を提供できている人とその想い出を大切にするようにしています。

冷静に考えたらこれは誰でも嬉しいことだし当たり前かもしれません。
けど現実問題、身体のバイオリズムとか何かの関係でなんとなく元気が出なかったり、忙殺されて目の前の課題しか考えられなくなり、そんな感じで大義が薄れる瞬間は多くの人にあるものだと思います。

その度に意識的に近くの魅了すべき人、自分の仕事によって価値を提供できている人のことを考えてリアリティを感じることで、大義を自分にリマインドしてそれ活力に変えるセルフ・マネジメントを徐々に身につけています。

もちろん、「リアリティがないと頑張れない。」ということでもないし、それはそれでプロ意識が低いとも思いますが、リアリティがパワーになるのは間違いないです。

自分の仕事が誰かのためになっているというリアリティを直接感じにくい職種や業界の人もたくさんいると思いますが、リアリティが足りないと思ったら、ぜひ、意識的に探してみてください。

なんか想いのまま書き殴ったらまとまりのない投稿になりましたが。。。笑

最後にとにかく『官僚たちの夏』めちゃめちゃアツいです。ぜひ、観てください。
※Netflixやhuluにはないコンテンツなので、TSUTAYAなどでレンタルする必要があります。