選挙結果

平井です。
昨日の選挙、「圧倒的」な結果になりました。
数字は308対119ということで、言うまでもありませんが、それにしても3倍近い差が出たのはすごいです。
今回の選挙は民主党が勝負をせずとも勝っていたというところがあるでしょう。
ほとんど、自民党の自滅状態。
瞬間的に首相が変わったり、年金問題、天下り、酔っぱらい記者会見、何度となくぶれる主張などなど。
今回の選挙直前まで来ると、
「自民党には不満がある、民主党には不安がある」
というのが世の中の意見だったように思います。
つまりそれぞれに負ける(かもしれない)不安定要素があったという事です。
どちらが世論の中で大きかったのかという事で考える事もできると思いますが、
あえて、そのような視点ではなく自民、民主の選挙戦を
「戦略的にどうだったのか」
という視点で見てみました。
せっかくマーケティングで戦略を色々と考えていたりするので、使ってみないことには。
■マニフェストは理解されていたのか?
マニフェストが導入されて久しいですが、
マニフェストはおまけ的要素が強いような気がします。
マニフェストの最も大きな問題は、
「量、質ともに、一般の人が解釈できるものではない」
ということです。
例えば、自民党、民主党それぞれのマニフェストの骨子を
この場で何も見ずに言う事ができますか?
僕はできません。
それぞれの政党は良いところを書いてきますし、
もっともな事を言いますが、どれも真実味にかける。
本当に実現できるのかわからない。
これが民主党の不安要素でもあったと思います。
ようは、「よく分からん」ということです。
■リーダーは強かったのか?
麻生さんは比較的キャラクターの濃い人です。
鳩山さんは麻生さんほど濃いキャラクターでもないし、
普通と言っては何ですが、特にカリスマ性が感じられるわけでもないです。
話し方も強烈ではないですし、国会の答弁を見る限りは対してプレゼンがうまいわけでもなさそう。
そもそも何度も代表になるかと思われながら、小沢さんや管さん、岡田さんにその場を譲ってきた人なので、
消極的と言えばそうとも言える人です。
ですので、リーダーがとてつもなく強かったというわけでもなさそうな雰囲気でした。
■ではでは戦略は?
明らかに違いがあったのは戦略だと思います。
先ほども書いたように、
「自民党には不満がある、民主党には不安がある」
という世論だった。
つまり戦略次第ではどっちに転がるか分からなかったわけです。
ではそれぞれがとった戦略はどうだったのか。
民主党はかなり初期の段階に戦略をひとつの言葉にまとめました。
それは
「政権交代」
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その一言につきるわけです。
ちょっと考えればこの中身のない言葉はおかしな言葉でもあります。
何をしてくれるのかという事を言わずに、とにかく
「代えろ!」
という事です。
でもこれは非常に分かりやすかった。
そもそも人間は考える事を嫌います。
頭を使う事を嫌います。
これを学術的には
「認知的負荷」
と言いますが、ようするに答えのない事をもんもんと考える事には
相当のいらだち、フラストレーションを感じるものです。
今回、
「自民党には不満がある、民主党には不安がある」
という状態は有権者に撮って、非常に頭を悩ませるような状態でした。
答えはないし、分からない、。。。イライライライラ。
そこに
「政権交代」
という四文字が、ばしーっと気持ちよく解答をくれたのです。
一方、自民党は、
「 日本を守る、責任力」
というアプローチをとりました。
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は?
答えになってない。
また有権者の意味のわからない混乱を招くということになります。
このような戦略の違いで、マスコミがどうなったかというと、
「政権交代選挙」
「民主党の政権交代なるか?」
などなど、とにかく
「政権交代」というフレーズが異様に多かった。
つまり今回の選挙は、
「政権交代選挙」
だったわけです。
だから民主党の勝ちは戦略の時点で分かっていたということです。
同じような事が以前にもあったのを覚えていると思います。
小泉首相の
「郵政民営化」と「郵政選挙」
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です。
これも非常に戦略的な選挙で、まさに郵政一色、それ以外は関係ない
そこだけの勝負だったわけで、そのために、小泉自民党の圧倒的な勝利になったわけです。
あのときも
「郵政にしてよいのか悪いのか」
有権者は頭を悩ませていました。どちらに転んでもおかしくなかった。
ただし小泉首相およびその戦略が異常に良かったわけです。
他にもあります。
オバマ大統領の
「Yes, We Can!」
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よく聞くと、
なにそれ?という内容のこのフレーズは、記憶に粘り着いてはなれません。
テレビも連日「Yes, We Can!」「Yes, We Can!」と言い続けたわけです。
逆に、ヒラリーには何もなかった。ヒラリーのフレーズはなに?…誰も思い出せないわけです。
今回の民主党の勝利は、自民党の自滅で説明できると思います。
今回の民主党の”圧倒的”勝利は民主党の「政権交代」戦略によって説明できると思います。
ということで、あまり好きではないのですが、政治の話と戦略を絡めて長々と書いてみました。
郵政民営化と同じように、数年後に「ダマされた」と言われないことを祈ります。。。

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ABOUTこの記事をかいた人

平井 雅史

アトラエに2009年新卒入社。 新規事業→Greenクライアントサポート部署をまたぎ、多くの企業様の採用課題に対してアプローチをしている。 趣味はゴルフ、子育て、書道。