正しい危機感を持つことの重要性

みなさんこんにちは。こんばんはな方はこんばんは。

インフラエンジニアの篠隈です。

実は今回はGWを利用して「チームを個とした自律分散」をテーマに書き進めていたのですが、あまりに重厚長大になってしまったのと、これは誰も読まないなと思ったのでw、ガラッとテーマを変えてマインド系の話にしています。

突然ですがみなさんはどんな危機感を感じながら仕事をしていますか?

その危機感は、今の自分の思考・行動につながっていますか?

今日はそんな話をしてきます。

より質の高いissueの源泉を求めて

既に事業の勝ち方が決まっていて、ひたすらそれをこなすタイプの仕事についているなら話は違うかもですが、アトラエのようなまだ目指すところに到達出来ていない会社の場合、何かしらの困難や超えるべき壁などと日々戦いつつ仕事をしていると思います。

加えてアトラエという会社は自律分散型組織という組織形態を取っており、「上司から仕事が降ってきて、それをこなす」というような形ではなく、自らissueを設定し、それを個人・チームで解決し、また次のissueを設定し…といったことを繰り返す必要があります。

そのような状況下においては極めて重要な要素の1つとして「どうすれば日々超えるべきissueを自ら見つけ出せるか」というものが入ってきます。

仮に自分が天才料理人だったとして、例えば山奥で遭難してしまったときに「どうすれば食料が手に入るか」ではなく、「どうすれば最高級のフレンチを極められるか」に頭を悩ませていたとしても、料理で誰かを喜ばせることはできないどころか命の危機にすら陥ってしまうと思います。

……ちょっと例えが微妙な気がしていますが、要はissueの設定の仕方1つでその後に流れる時間の質は変わってくる、というような話です。

と言われても「そんなことはわかってる、でも中々issueが立てられない」、「自分よりも周りの人のほうがissueを立てるのが上手くて、自分が考えるべきではない気がする」などなど、色々あると思います。

かくいう僕も↑のようなことを思うことはありますが、仕事をしているといつか必ず「どんなに自分より優れている人がいようが関係なく、自分がやらなきゃいけなくなる瞬間が来る」「自ら質の高いissueを立てられるようにならないとイキイキと働けない瞬間がくる」ものだと思っており、自分に向けても書いていこうと思います。

ではどうすればより質の高いissueが立てられるようになるのでしょうか。

話の流れ的に「危機感」というキーワードは当然入ってくるのですが、もっと本質的に言うと「意志」だと思っています。

ので、「楽しい」とか「負けたくない」とか、それこそ「漫画の主人公みたいになりたい!」とか、色んな感情から意志が生まれ、思考が回りだし、最終的にissueは生まれていくと思っていますが、こと仕事においてという話であれば、「危機感」というのはその特性上組織内においてissueを立てるきっかけとしては非常に再現性が高く、思考・行動の速度と火力に影響が強いと思っているので、今回はピックアップして取り上げる次第です。

危機感を質の良いissueを生み出せるものにしよう

一口に危機感といっても、色々種類があります。

イメージしやすいのは「同業他社に負けたくない」とかでしょうか。

失いたくない系危機感です。

それ以外にも「目指すところに全然届いていない」みたいなものもあるでしょうか。

渇望系危機感とでも言えそうです。

また一般によくあるのは立場が人を変える系ですかね。

先輩が居なくなるとか。

そんな感じで他にも色々ありそうですが一旦さておき…当然の話として、危機感の持ち方によって自然発生する思考は変わります。

組織に危機感を持っているときは組織系のことを色々と考えてしまうものです。

つまり、持っている危機感によってその先で生まれ出るissueの質も変わってきます。

まず危機感→issue設定の1番美しいストーリーは、所属する組織における勝ち筋と危機感の持ち方が重なっているパターンでしょうか。

例えばアトラエでは「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンを掲げているので、そこに沿っていればいるほど恐らく良い危機感の持ち方と言えそうです。

……これで話が終わればそんな簡単なことはないのですが、得てしてそういう「組織の勝ち筋」は抽象度の高い物が多いため、そこに純粋に沿っていればいるほど、現実に落としきれずに思考・行動につながらない、という罠にハマります。

当然かくいう僕も「まだまだ全然世界中の人々を魅了する組織にはなれていないな」と日々思うわけですが、残念ながら?そこから直接行動には一度も落ちたことがありません。

あくまで勝ち筋には沿いながらも、それを思考・行動が出来るくらいにまでブレイクダウンする作業が重要ということです。

↑はトップダウン的な思考ですが、一方でもちろんボトムアップ的な形も存在しますし、そちらも全然いいと思います。

今自分が現実に感じている危機感があったとして、その危機感をスケールアップしたときにどのように組織の勝ち筋と重なるのか、みたいな考え方です。

トップダウン型の場合は「考えてることの筋はいいが行動に落とせてないから意味がないね」となりがちで(耳が痛い…)、反対にボトムアップ型の場合は「ガンガン行動できてるのは良いが、その先にどこにつながってるのかを考えないと打率が低いね」となりがちなのでそこに気をつけないといけないですが、これを避けるためのアップデートの作業を繰り返すことで危機感ドリブンでの質の高いissue設定がどんどん出来るようになっていくと、僕は思っています。

……とまぁ色々と書きましたが、今回一番僕が言いたいことは何かというと、「issueを生み出す源泉を作るのが一番むずかしい。その源泉として危機感というのは非常に有用なので、どうすれば危機感を持てるか、それをアップデートできるか、と向き合うことができれば、後は湧き水のようにissueは湧いて出る」という感じです。

もちろん危機感だけではまだ要素が足りないわけですが、長くなりすぎないよう一旦こんな感じで。

具体的にどうすれば「良い危機感」に繋がっていくのか

流石に具体的なHowの話も少しはしないとなと思うわけですが、毎度のことながら正直Howはたくさんあると思っています。

それに、トップダウン型ボトムアップ型と言っているのが一例でもありますが、そもそもの個人の特性でも取るべきHowは変わると思っているので、本当に参考程度に…

僕はよく、↓のようなことをやっています。

  1. ちょっと未来に発生するであろう課題を色々と考える時間を取る
  2. 上手く行っていると自覚したときに敢えて一歩引いて考える時間を強制的に取る
  3. 同じような危機感を持っていそうな人を嗅ぎつけ、話す時間を設ける

他にも色々やってる気はしますが、とりあえずぱっと思いついたものだけ。

全てに共通して言えるのは、「自分の中に、半強制的に危機感をアップデートする時間を取るためのトリガーを設けている」というところです。

これがないと、ただでさえ忙しい日々において、本当に仕事をこなすだけで時間が永遠に流れていくので、「強制ルール」は非常に重要だと思います。

以下、それぞれの簡単な詳細です。

1. ちょっと未来に発生するであろう課題を色々と考える時間を取る

これはTime is money系の観点も結構強めですね。

今回こんな話をしているくらいなので、僕はそもそも課題が発生すること自体にはポジティブな派閥で、課題を先回りして潰しきりたいとは思ってはいません。

ある意味、課題を先回りして潰せば潰すほど同時に誰かの可能性を潰すこともあり得ますからね。

がしかし、当然前に進むための速度は重要ですし、それこそ致命的な課題が後になって現れるのはマズイわけです。

もっというと、その課題がなくなっていることでもっと質の高い危機感を持てる状態になれるのであれば、それは潰しておくべきです。

なので、ちょっと未来に想いを馳せ、ヤバそうな危機感を抱いたら先回りして潰しにいき、そんなにヤバくなさそうだったら種まきだけしておいて頭の片隅においておくくらいにしています。

ちなみに強制的にこの時間を設けるための自分ルールとして、週末に長時間お風呂に入る、というものを課していますw

良い入浴剤があったら教えて下さい。

なお、リラックスしぼーっとして思考が止まる系入浴剤はNGです。

2. 上手く行っていると自覚したときに敢えて一歩引いて考える時間を強制的に取る

これは正直、僕の元々の特性もかなり影響しています。

基本的に僕は本質思考かつひねくれているので、穴をつくような評論が得意だったりします…w

ただまぁ物は使いようということで、欠点だなと認識した部分をいい方向に使おうとしている系の話です。

個人でもチームでも、上手く行っている状態というのは極めて気持ち良いものです。

その状況に浸りたいし、それで美味しいお酒を飲みたい(当社比)。

それ自体は全く否定されるようなことではないと思っていますが(飲み過ぎには注意)、上手く行っているときは往々にして「何らかゲームのルールが知らず識らずのうちに存在している」ことが多いです。

例えば、チームの状態がめちゃくちゃ良くて、開発のスピードが過去にないくらい早い、など。

この場合は、恐らく元々「開発のパフォーマンスが上がらない」みたいな危機感があって、それにより開発効率的なところの向上にフォーカスがあたり、試行錯誤の末にいまだかつてない境地にたどり着いた、みたいなストーリーが多いと思いますが、この際自然と「開発効率を上げる」ということがゲームのルールになりがちです。

当然これは悪いことではないです。

が、最終到達点ではなく通過地点的な話であって、一歩引いた目で考えると「どんな価値をユーザーに届けられているのか」という観点をアドオン出来たほうが、よりよいゲーム設計になっていると思います。

このように上手く行っているときは「どんなルールの上で上手く行っていると我々は判断しているのか」を改めて整理してみると、新たな危機感が生まれ新たなissue設定に繋がったりするものです。

これは本当に気をつけていても陥りやすい難しいトラップだと自分の体験を通しても思うので、僕は「上手く行っていると自覚したときに敢えて一歩引いて考えろ!!」というのを、己に染み付かせようとしています。

あ、当然ですが、これをやるときは一人で考えたほうが良いです。

せっかく上手く行っているところにわざわざ水を指すのはよほどの信頼関係がないと良くないことになりがちなので、一人で考えた上でいい塩梅の行動を起こすのが吉です。

また最初に「自分の欠点と思われる特性を活かしている」みたいなことを書きましたが、これは結構有効です。

特性を活かす = 自然と発揮される、ということなので、例えば「上手く行っていると自覚したときに敢えて一歩引いて考えろ!!」みたいな俺ルールも、忘れられずに自然と発揮されやすいためです。

結局Howから離れた話になってきましたがw、自分の良い点悪い点はさておき、特性を認識し使いこなすのはおすすめです。

3. 同じような危機感を持っていそうな人を嗅ぎつけ、話す時間を設ける

これは、より質を高めながら行動に落ちるレベルに持っていく上ではめちゃくちゃクリティカルヒットするHowです(僕にとって)。

長くなるので今回は触れませんが、情報量というのは質を上げる上でとっっっても重要です。

三人寄れば文殊の知恵という言葉もありますが、まさにその通りといった感じで、違う情報を持ち、かつ同じような危機感を持っている人と話をすると往々にして想像していなかった化学反応が起こります

思考というのはそもそも認識から新たな認識を創ることなので、いい感じの認識を増やしてくれる存在が居ると、思考も回ります。

ここでいう「いい感じの認識」というのはまさに「同じような危機感を持っている人の認識」です。

相手から「いい感じの認識」を得ることで思考が回り新たな認識が生まれ、それが今度は相手にとっての「いい感じの認識」になったりするわけで、それはもう加速度的に話が進むわけです。

それになにより、「同じ敵と向かいあう仲間」が出来ます。

これはチームとしてのパワーに繋がるし、質も上がるし、おまけに取れる選択肢の幅すらも広がって行動に落ちやすくなるしで、とっても強いです。

こういう話をすると「壁打ちお願いします〜」みたいな流れを起点とするイメージがひっついて回りますが、そこまで固くならずともランチいくとか飲みに行くとか、そんな感じでいいと思います。

漫画で仲間を増やしてく主人公が「壁打ちお願いします」と言ってるのは見たこと無いので、もっと自然体な感じでいいのだろう、的な……。

……というようなことを実際に起こすには、「そもそも誰がどんなことに危機感を感じているのか」を知る必要があります。

なので僕は結構Slackの会話は覗いていたり、飲み会中は違うテーブルまで含めて誰が何にどれくらいの熱量で話しているのかを聞いていたりします。

(ちなみにこれも、死ぬほどコミュ障であるという元々の特性を活かしています。人が喋っていればいるほど、その輪に入れないのです……w)

また以前これを仕組み化しようとアトトーークというイベント(アメトーークの社内版のようなイメージ)をやっていましたが、上手く組織にインストールできずに自然消滅したという悲しい過去もあります。

まだまだ精進あるのみです。

最後に

結局5000字近い分量になってしまいましたが、実は今回の話は元々テーマにしていた「チームを個にした自律分散」の一要素として考えていたものでした。

完全に切り出して正解です。

GWにかこつけてそのまま記事化していたらとんでもなく誰も読まないものになっていました。

改めて時間があると色々考えられていいなと思いつつ、同時に結局これも行動に落とせないとただの妄想で終わりなので、また色々と形にしていきたいと思います。

アトラエでは各人がこんな感じで色んなことを考え、色んなことと戦い、日々イキイキと働いています。

自分もそんな会社で「世界中の人々を魅了する会社を創る」ことをやってみたい!と思った方がもしいらっしゃいましたら、ぜひリクルーティングページを御覧ください。