こんにちは、もうすぐ3年目になる小倉です。エンジニアをやっています。
今日はこの半年間自分が考えていたことを書こうと思います。掲題の通り「チームとして活動する上で求められるレベル」です。
早いもので入社してもうすぐ2年が経ちます。アトラエでは半年ごとに自分の仕事の成果や姿勢について、特に自分と多く時間を過ごしたメンバーからフィードバックをもらうのですが、今から半年前に先輩からこんなことを言われました。
「小倉は誰とでも、どのチームでも悪い意味の衝突とかせずに成果を出すことができる」
「今後は、いつでも、誰とでもチームを作れるようになることが課題」
言われた当時は「いや、できているんだが???」と思っていたのですが、その言葉を意識するようになってから自分がそれを全くできていないこと、そしてその難易度が極めて高いことがわかりました。このブログを書く前に、これまでの自分の数年を鑑みても圧倒的にできていないことがわかったので振り返りを兼ねて書いていきますw
学生時代
研究室の同期が数人いましたがこの時はチームで成果を出すという考えが全くありませんでした。とにかく論文を読んで、分析して、論文を書いて、という感じの生活で作業特性上誰かと関わることがそんなになかったことが理由だったと思います。
(そして後に、いい作品をつくるには人と適切に協働することが一番の近道と知るのでした…)
だいぶひねくれた性格だったので同期、後輩、先輩にはだいぶ気を遣わせていたな〜と今となっては結構反省しています。自分でも、このときの自分とグループワークしたくないなと思ってます。
入社1年目〜半年前
アトラエに入社し、 wevox に配属となりました。それまでの二十数年は学業が本分でしたが、入社をきっかけにwevox というプロダクトを世の中に届けることやアトラエという理想の会社を創ることが本分になりました。
入社直後は正直他のメンバーのことを気にかける余裕がありませんでした。自分がどれくらい早く成長できるか、とか、迷惑を掛けないように振る舞うか、とかをよく考えていました。
自己中心的なことも多かったと思います。息抜きや情報共有のために同期が飲みに誘ってくれたのですが、自分のことで精一杯になっていたので飲みには行かずずっと会社で仕事をしてました。結構ぶっきらぼうに断っていたので嫌われても仕方ないと思いますが、今でも笑い話にしつつ好意的に誘ってくれる同期には感謝しています。
同期とも仲良くしないし、チーム内でも自分の成果に向かっている自分を見かねて先輩からは「みんな小倉に気を遣っているから自覚したほうがいいよ」と言われました。恥ずかしくなりましたし、改めて会社やチームで働く意味を考えるきっかけになりました。
それからは考え方やスタンスを少しずつ変えて、最低でも人に心配されたり気を遣わせたりしないように努めました。具体的にはネガティブなことを絶対に言わないとか、心身共に調子を安定させるように生活を変えたりとかです。とにかく人に気を遣わせることで他の人の時間や気力を奪ってしまうのを恐れていた気がします。
現在
そんなことを日々考えいていると、それ自体のレベルが低いな〜と感じるようになりました。極端に言うと多分孫正義とかジェフ・ベゾスはそんな事考えていないよな〜と。あのレベルで社会に影響を与えている人は息をするようにそれができていはずだよなと思うようになりました。「チームを良くしたい」「会社を大きくしたい」「社会を良くしたい」といったように、大きい成果を出している人ほど自分という個ではなく、より広い社会を主語にして物事を捉えていることに気づきました。
そこからは自分が気を遣われないのは当たり前、次はチームや会社の調子を上げるには何ができるか、何をするべきかを考え始めました。具体的には wevox のスコアを見たり社内外の人たちと議論したりしてチームや会社の課題を考え、ツールを導入したりイベントを開催したり制度を考えたりしはじめました。
ここまでやった上で「今後は、いつでも、誰とでもチームを作れるようになることが課題」と言われ、「??!!いや、めちゃくちゃできているんだが??!!」と思ってしまったのですが、よく考えるとできてませんでした。
このあたりの認知の仕方は面白くて、熟達していない人ほど「自分は比較的できているほうだ」と思い込む傾向にあり、自分のレベルが上がるほど自分より熟達している人の凄さの解像度が上がるため自分のレベルの低さをより痛感できるようになります。
チームメンバーとしてのレベル
チームとして成果を出す上で、自分がどのような振る舞いができるかにはレベルがありそうです。
自分のこれまでの経験と、周りを見渡した上でチームとして再現性高く成果を出しているメンバーを分類すると以下のように整理できました。各レベルは何気なしに過ごしているだけでは絶対越えられない壁があること、そしてこれは意識して自分の能力を上げないと超えられないことも自覚しています。
レベルは不可逆ではないですが、チームとして成果を出せるメンバーはやはり常に高いレベルに位置していると思っています。
チームメンバーレベル0:チームメンバーに気を遣われたり、心配される状態
言わずもがなですが、スタート地点に立っていない状態です。本人が自覚していないケースが多く、周りが消耗していきます。
適切な「ほうれんそう」ができていない等の仕事における基本的な所作の欠如の問題と、チームメンバーとのコンフリクトを起こしやすい等のメンタルや思考の問題とでそれぞれ分解できそうです。
自分もこのレベルにいたので分かっていますが、主語が自分になっているとどうしてもここから脱するのが難しくなります。より大きい成果を出したり、大きな価値を世の中に提供するためにいかに自分のレベルが低いかを自覚すると次のレベルにいけます(強く自戒を込めています)。
チームメンバーレベル1:チームメンバーと一緒に働き、成果を出すことができる状態
誰と同じチームになったとしても成果が出せる状態です。お互いが気持ちよく働くことができる状態だと思いますが、チーム内にレベル0の人がいたりチームが多様化してくるとその限りではなくなってきます。
朗らかな性格の持ち主は他の人とコンフリクトを起こしにくくレベル0の状態ではないですが、自分で能動的に世界を作り出せているわけではないためチームとしての成果の再現性は高くないと考えます。
———- 超えられない壁① ———-
チームメンバーレベル2:チームに対して “意図的に” 良い影響を与えることができる
チームや組織の課題を特定し、解決できる能力を指しています。
レベル1と2との違いは能動的かどうかです。自分でチームを良くしようと思って行動しないとこの壁は超えられないはずです。この状態にいるとレベル0の人がチームにいたとしても、チームで成果を出すことができそうです。
特定するべき問題は単純に業務に関することだけではなく、チームや組織に関することも含まれます。プロジェクトの進みが芳しくない場合、アサインミスかもしれないしチームメンバーのメンタルの不調かもしれません。
また問題の特定についても解像度を上げて考えてみると以下の能力が求められそうです。
– ロジカルに問題を分解した上で優先度(重要度と緊急度)を評価することができる
– 自分やチームの置かれている状況を踏まえた上で、「やること」「やらないこと」の意思決定ができる
問題が生じた際もチームに1人以上いれば物事が前に進みやすい人の特徴かもしれません。
———- 超えられない壁② ———-
チームメンバーレベル3:右肩下がりのチームを立て直すことができる。または0からチームを作ることができる。
レベル2との違いは、チームの理想像を考えた上で実行できる力があるかどうかです。
水の流れがあるところに舟を浮かべれば勝手に進むように、レベル2はチームの状態が良ければなんとかなります。レベル3ではそもそも流れを生み出すことや、逆流している流れの方向を変える必要があり、既にある流れに沿って舟を漕ぐ以上の筋力が求められます。
自分はこのレベルに到達していないため何が必要か分解できていませんが、ざっと以下のような能力でしょうか。
– ロジカルさに加えてエモーショナルさを適切に織り交ぜることができる
– 改善するだけではなく、壊す勇気と作り直す実行力を持っている
– 異常なまでの執着心、結果が出るまで愚直に挑戦し続ける意思を持っている
もちろんレベル2までの基本的な所作を高いレベルでやりつつ、という前提です。
特に1つ目についてはよく議論する先輩から言われたことが印象的です。その方は「MTG が終わった時に、誰かのネクストアクションが決まるだけでなく、どのような声をかけたらその人の意志を120%に引き上げることができるか考える」と言っていました。必ずしも理詰めで物事を考えるだけではなく、その人がプロジェクトに意味を見出して走り出せるために感情的な言葉をかけてあげるそうです。
最後に
先輩が伝えたかったことは、レベル3にならないと自分でプロジェクトを始めたり事業をつくったりすることは無理ということだったのかなと思っています。偉そうにつらつら書きましたが、自分もまだまだ未熟なので精進するのみです。
ここまで書いたことは割と的確だと自分では思っていますが、全ての人類がこれをやるべきとは思っていません。各人が置かれた状況や組織によっては、チームとは関係なく個としての活動を極めたほうがいい場面もあると思います。
でもやっぱり事業を作ったり技術を身につけたりすることと同じくらい、会社を創っていく営みは楽しいと思ってしまいます。そしてアトラエでは「Ask not what your company can do for you, ask what you can do for your company.」という標語があるように、個々人が日常的に組織づくりに携われる土壌があります。
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