効率化してはいけないもの、効率で考えないほうがいいもの

こんにちは、小倉です。エンジニアをやってます。

自分は典型的な効率脳でして、ビジネスとプライベートのあらゆるものを無駄なく処理したいと思ってしまう性格です。興味範囲が広く熱しやすいという性格も相まって、やりたいことがたくさんあるが故に、それぞれに充てる時間を短くしたいと思いがちなことも自覚しています。

特にビジネスにおいて効率化できる人やそれが得意な人が重宝されることも理解しており、そういう意味でも自身の強みを肯定している自分がいることも自覚しています。

一方で効率化に偏りすぎているからこそ陥ったことや周囲に迷惑をかけたこともいくつかあるので、今回はそのことについて書きます。

人間関係

ほぼこれに尽きるのですが、人間関係の構築と効率化の相性は最悪です。

  • 業務上のやりとりにおいて必要なこと以外は削ぎ落として会話する。友人との会話も結論から話すことを求める。
  • 集合時間への遅刻や、予定外の延長を許容できない。定刻スタート、定刻解散をデフォルトにすることを求める。
  • 友人や同僚からの飲み会の意味を見いだせず誘われても不参加。全て自己研鑽の時間に充てる。

 

書きながらゾッとしますが、自分は地でこれらをやる人間でした。秩序とルールをベースに良好な人間関係が育まれると思っていたのですが、今となってはこれも極端な合理的思考の人間の発想だなと思います。もちろん社会人としては守るべきことも多いのですが、昔の自分はそんな余裕を持てるような性格ではありませんでした。

人間関係における問題のほとんどは「こころ」が原因ではないでしょうか。ハラスメントを除いて、偏見や情報不足を原因とした勘違いとか理解不足とかが主な原因だと思います。わだかまりがある人同士の「こころ」や、見知らぬの人同士の「こころ」を解きほぐせるのは、十中八九ロジカルな対応ではないはず。

効率化を「時間がかかる作業をより早く、より手間なく、より低コストで完了するような取り組み」と定義すると、そういった「こころ」の問題に効率化を携えて立ち向かうのは悪手であることは想像に難くないはずです。人間関係にはそもそもゴールはないですし、一緒に楽しんだり苦しんだりする過程そのものが結果的に良好な関係を育むことに繋がるかなとも最近は思っています。

人間関係は時間を費やすほど良くなるとも限りませんが、コスパの考え方で良くなることは決していないことも言い切れます。友達との関係性、パートナーや家族との関係性、上司部下との関係性など同様のことが言えそうです。

信頼関係

人間関係と重複するところもありますが…

信頼関係を良好に保つには互いに、以下のことを達成し続けることが必要だというのが自分の教訓です。

  • 相手の信頼を裏切らないこと
  • 相手の期待を超えること

人間関係を攻略するようなゲームであれば信頼が数値化されて、ストーリーにおいて高ポイントの行動を合理的に選ぶことがいい結果に繋がりそうです(そういうゲームを昔やっていました)。どのような対応が信頼を裏切りそうか、どのような対応が期待を超えそうかは選択式であれば割とロジカルに回答できそうです(書き方がサイコっぽいですね…)。

一方、現実世界では予定調和のストーリーは存在せず、カオスの名の下に十人十色のコンテキストで判断することが求められます。特に初対面のガードが硬い人とのコミュニケーションにおいて、(効率を重視する人にとっての)合理的な行動や態度で相手からの信頼を獲得することは結構難しいんじゃないかなと思っています。

朝まで飲みに付き合うとか、遠方にも関わらずすぐに会いに行くとか、朝まで寝ずに仕事を完遂させるとか、そういうことが初対面の相手の心を掴むシーンを何度も目にしてきました。見る人が見ればそれも合理的な判断だと言うと思いますが、かつての自分のような「効率厨」からは考えられない打ち手です。

最後に

自分のように効率化が本能になっている人間は、特に関係性の育成においてその本能に逆らうようなことをしていかないといけないですね。自分自身も気をつけないといけないこともたくさんあることは改めて自覚しましたし、「仕事は好きだけど人間関係はどうでもいいです」という人が大多数の会社にしたくないなと思ってしまいましたw 

人間関係の醸成を効率化することは直感的にはうまくいかなさそうですよね。でも私含め、本人は効率化をすることが目的になっているので気づにくいのです。それは本当にすみません。自戒も込めてですが、周りに人間関係を効率化しようとしてる人がいたらそっと諭してあげてください。