チームで実験できるチームか

本日は、Wevoxカスタマーサクセスの清水が担当します。
現在携わっているWevoxは、2016年にリリースされ間もなく6年目を迎えます。
直近は、エンゲージメント・人的資本への世の中の注目度上昇もあって、様々な業界・ニーズの企業様の導入が進んでいたりします。

そんな中で、プロダクトやCSの取り組みも毎月のようにいろんな変化・進化をしていくわけですが、今回はそんな変化の激しい日常の中で感じたことについて書いてみようかなと思います。

「issueが変わる→やり方変えなきゃ→どうしたら良いの?!」は基本

冒頭ともやや重なりますが、WevoxというSaaSプロダクトにカスタマーサクセスとして携わる中で、「向き合うissueが一定期間おきに大きくアップデートされる」ということによく遭遇します。

こと「Wevoxだから」というわけではないですが、市場の変化や相対するクライアントの多角化による影響はもちろん、より包括的で、長く変わっていない難易度の高い問題解決をしようとするプロダクトだと、よくあることなんだろうなと思います。

例えば、「この戦略・方針で成長していけば、きっとクライアントのサクセスに近づいていくはずだ!」と思ってひたむきに実行をしていったとしても、大概「これだけでは変わりきらない。本質的に◯◯を実現できるか・提供できるかが重要なのかもしれない!」という新しい発見があり、issue・方針がアップデートされるというようなイメージです。

issueが変わると、当然今までのやり方を伸ばしていく(成長させる)のではなく、やり方を変える(進化する・アップデートする)必要がありますが、どう変えたら良いのかは不明瞭なので「いったい何が効果的なの?何に注力すべきなの?」の状態に陥ります。
大体これの繰り返しです。

簡単にいうと、「基本的にずーーーっと探索状態w」というのが、Wevoxを始めとした大きな問題解決に挑むプロダクトの宿命なのだと感じています。

「仮説検証」だけでなく「実験」ができているか

そんな宿命の中では、当然ながら早い段階で投資できる勝ち筋を見出していけるかが重要になりますが、効果的な勝ち筋を早く見出すためには「いかに”実験”できているかが大切なんじゃないか」と感じています。

「要は仮説検証でしょ?」と思われるかと思いますが、個人的にはあえて”実験”という言葉にこだわっています。(笑)
「しっかりと考えて作ったアイデアの成否判断」が仮説検証だとすると、「行ったことから、何が生まれるか・起こったかの観察と解釈」という意味で”実験”という言葉を使っています。

大前提、仮説を作って検証することは、勝ち筋を見出す上で絶対的に必要であるものの、
「何を検証したら良いのかの目処がつかない…」という、そもそもの仮説を作る難易度が高いことが、issue自体がアップデートされていくプロダクトの実情だったりするなと感じます。
その状態で、「良い仮説が立てられないから、まだ確信を持ちきれていないから動きを変えられない」となってしまうと、勝ち筋を見出すことなくチームが停滞することがあります。結果的に問題解決に至るプロダクトになりきれないままに終わってしまうのは怖いですね。

だからこそ、いかに機動力高く、仮説を作り上げるための”上質なヒント”を集められるか、つまり”実験できるか”が鍵だと考えています。

例えば、
・「このクライアントにこの資料を当ててみると、どんな反応をするのか・何を感じるのか」という実験
・「仮にこの担当者さんに他社担当者さんを会わせてみたら、いつもより伝わるんだろうか」という実験
・「重要性を訴求するより、危機感を煽る方法で話してみたら響きやすくなるのだろうか」という実験
といったものや、他の角度だと
・「チームでの振り返り方をA→Bに変えてみたら、何が起こるだろうか。発言内容は変わったりするのだろうか。」という実験
などのイメージです。

愚直に同じやり方を生産的にやっていくことも重要ですが、探索が続くようなプロダクトにおいては、いかに日常の中で何か一つでも小さなヒントを生み出し続ける実験を増やしていくことで、機動力も上がっていくんじゃないかと思います。

「チームでの実験」が更なる進化の鍵?!

加えて、更に重要なのは「個々人の実験」ではなく「チームで実験」ができているかだと思っています。

実験において大事なのは「上質なヒント」を生み出すことですが、一つの実験をバラバラと実施して情報シェアする以上に、複数人で共通の実験を行いそこでの光景や気づきのシェアを行うことで、解釈の深さに雲泥の差が出てくるはずです。
互いの意見・感じたことをぶつけ合う中で、一つの事象・結果がチームにもたらす示唆や気づきがきっと深くなっていきます。

とはいえ、「チームで実験する」ということは簡単なことじゃないことも難しいポイントです。
自分達のこれまでのやり方を変えることを意味する部分もあるので、
・慣れ親しんだやり方を純粋に好む気持ち
・短期的にはパフォーマンスが落ちてしまうことを避けたい気持ち
・失敗することが怖くなる気持ち
を人間誰しも感じるもので、結果実験していくこと自体にストップをかけてしまうこともあり得ます。

と、その人間の性質を踏まえた上で、
・やってみたことがうまくいかなかったことは問題ではないこと
・振り返った時に何を気づけたか・学べたかが語れないことの方が、勝ち筋を見出し続けないといけないプロダクトにおいてはよっぽどまずいこと
をしっかりと共有し合った上で、やはり「やる意義」を自分ごととしてチームで共有できるかが肝かと思います。

結果的に同じ行動をしていても、実験には学習がついてきますが、単なる実行では結果しか返ってきません。
「これを試してみたい!どうなるんだろう?」という実験側の意志がで得られる気づきの量や解釈の深さも変わってくるので、それこそ実験していくことに対して意欲的に取り組めるかはすごく重要です。
チームで実験できるチームほど、他よりも早いスピードで学習・進化していくはずだと思っています。

と、書いていて改めて思いましたが、ある種”正解”ありきの再現性勝負ではないからこそ、”失敗”するものであるという前提で自分自身ガンガン実験を積み重ねていきたいなと思っています。

今回は以上です。

ABOUTこの記事をかいた人

清水 謙

新卒入社3年目の清水謙です。 Green Salesとして入社し、現在は新卒/中途の採用を担当しています。 小学校4年生から神戸大学の体育会サッカー部を卒業するまで、ずっとサッカーに熱中し続けてきた、サッカーで出来上がった人間です。 組織論が大好きです。