アルライズの主張

平井です。
今日は読んだ本の話を。
以前から、ポジショニング戦略やフォーカスなどで、「すごい人だと」思っていたアル・ライズ。
ポジショニング戦略[新版]ポジショニング戦略[新版]
著者:アル・ライズ
販売元:海と月社
発売日:2008-04-14
おすすめ度:4.5
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フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法
著者:アル・ライズ
販売元:海と月社
発売日:2007-08-03
おすすめ度:4.5
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今回は彼の著書「インターネット・ブランディング11の法則」を読んだ。
インターネット・ブランディング11の法則インターネット・ブランディング11の法則
著者:アル ライズ
販売元:東急エージェンシー出版部
発売日:2001-06
おすすめ度:4.5
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今から8年前の2001年に書かれた著書であり、そのときと比べるとインターネットは大きく変わっており、社会おける浸透の仕方は、全然違っている。それでもこの著書の多くの点は、すごく芯をついているものだった。
アルライズの基本的主張は、やはり「ポジショニング」と「フォーカス」の2点が重要であるということであり、それはこの本でも同様であった。
(簡単にその2つについて説明)
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ポジショニングという言葉は、マーケティング的には目新しい言葉ではないのだけれど、アルライズの本を読んで少し自分が思っていた事とは違う事が分かった。
要は、単純に
「誰のどのようなニーズに答えるのか」
ということではなく、
「人間の頭の中のどの空白に印象を残すか」
ということに近い。僕の下手な日本語では説明できないので、詳しくは読んでほしいが。
彼の理論的背景は、彼が意識しているのかはともかく、僕が大学時代に勉強していた認知科学や脳科学だろう。「人間の動物的限界」という事を前提にしたマーケット理論であるということだ。
「フォーカス」も根底にある理論は同じで、認知科学に基づいたマーケティング論だ。
要するに「一つのブランドでいろいろやろうとするな、一つにしぼれ。そうでないと、人間は認知しない」ということである。
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で、今回読んだインターネット・ブランディング11の法則の中で、アルライズは、Amazonの戦略ミスについて言及していた。あくまで2001年の時点のアルライズの視点という事に留意してもなかなか興味深いなと思う。どのような内容かとういうと、
「Amazonは本以外の商品を置くべきではない」というもの。
Amazonが本以外の商品のネット販売を始めたことに対するアルライズの反論。現状どうなっているかというと、Amazonは現在本以外の商品も大量に扱っているしそれなりに順調に業績を伸ばしている。
本しかないAmazonは確かに想像できないかもしれない。
では、アルライズの主張が間違っていたのか?というと、ここが僕には分からない。
Amazonで本以外を買う事も増えたし、結構便利。一見Amazonはすごくうまく行っているように見える。
その意味では色々な商品を扱っている事は正解だったように見える。
ただ、、、もし、Amazonが本に集中していたら。それこそ本に「フォーカス」していたらどうなっていたのだろう。もしかしたら、もっと業績を伸ばしていたと考えられないだろうか。8年後の現在、インターネット上での本=Amazonという公式がもっと定着していたのかもしれない。サービスももっと本にフォーカスし、それこそ中身を全ての本が見れるようになっていて、そうすると、本を書店で買う必要が本当になくなって、、、という現在があったかもしれない。
Amazonはそういう道を選ばずに、多商品を扱うネット上の百貨店になっている感じ。。。
未来って本当に分からないし、現在は一つしかないから、どうなっていたか分からないが。
どちらにしても2001年という過去に示唆深く書かれたという意味で興味深い本だと思う。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    平井 雅史

    アトラエに2009年新卒入社。 新規事業→Greenクライアントサポート部署をまたぎ、多くの企業様の採用課題に対してアプローチをしている。 趣味はゴルフ、子育て、書道。