バブソン大学に行ってきました

こんにちは、毎日本当に暑いですね。小倉です。

7月の中旬から下旬にかけて、大学のプログラムを利用して超短期でアメリカのバブソン大学(Babson College)に行ってきました。23歳にして初めての海外だったので全ての経験が新鮮だったのですが、特に大学内で学んだことが自分にとってとても学びがあったでの文字にして残したいと思います!

英語はそんなに得意ではありませんが、多分それを言い訳にしてたら一生行かなさそうなので思い切って申し込んでそれから勉強しました!

授業スライドの写真が出てきますが、大学から許可は出ていますのでご安心ください!

目次
そもそもバブソン大学とは?
参加校
プログラム内容
気づき
これから身につけなければいけないと感じたこと
その他、アメリカで過ごして感じたこと

そもそもバブソン大学とは?

日本ではメジャーな大学ではないと思うので、念のためここで説明します。

バブソン大学(Babson College)とは、米国マサチューセッツ州にある私立大学です。起業家教育に特化した大学で、起業(家)の研究やビジネス実績でも高い評価を得ています。
特にバブソン大学のMBAコースは、2016年現在、USニューズ(USニューズ&ワールド・レポート)のランキングで23年連続でアントレプレナーシップNo1に輝いています(wikipediaより)。なお自分が訪れた2018年7月時点ではこんな風に25年連続となっていました。

またEnter Money Magazineが2014年に発表した「教育の質、投資価値、卒業生の年収」を元にした大学ランキングでは全米655の大学中1位に輝いています。

学部生の必修科目として取得する「ファウンデーション・オブ・マネージメント・アンド・アントレプレナーシップ(FME)」という授業がバブソン大学らしさを表しています。FMEは1年を通して行われる授業です。4人1組でチームを作り、その後ビジネスプランを発表します。全体のうち優れた2、3のビジネスプランを元に実際に会社を設立し、ビジネスプランとチームが具体的に決まれば、ビジネスプランに基づいて必要額の資金を大学から調達できます。学期末には会社をたたみ、収益を寄付することになっています。

参加校

今回はこの大学の夏季限定サマープログラムに参加してきました。「Babson Build」というプログラムで各国のMBAの学生が集まります。

よくわからないアルファベットが並んでいますね。その中にWASEDAとあります。このアルファベットは大学名を表しています。

UDEM…モンテレイ大学(Universidad de Monterrey)、メキシコにある大学
EAE…EAEビジネススクール(EAE Business school)、スペインのビジネススクール
UDD…デサロージョ大学(Universidad del Desarrollo)、チリの大学
UDLA…アメリカス・プエブラ大学(University of the Americas Puebla)、メキシコの大学
UPC…カタルーニャ工科大学(Universitat Politècnica de Catalunya)、スペインの大学
EGADE…モンテレイ工科大学 ビジネススクール(EGADE Business School)、メキシコのビジネススクール
IESA…ベネズエラ高等経営研究所(Instituto de Estudios Superiores de Administración)、ベネズエラの大学
ROSARIO…ロサリオ大学(Universidad del Rosario)、コロンビアの大学
UCSC…カリフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California, Santa Cruz)、アメリカの大学
PLYMOUTH…プリマス大学(University of Plymouth)、イングランドの大学
FLAME…フレーム大学(FLAME University)、インドの大学
WASEDA…早稲田大学(Waseda University)、日本の大学

列挙された学校を見てわかる通り、参加する学生のほとんどがスペイン語圏の出身です。今回約100人の参加者がいましたが、90%以上がスペイン語話者でした。
またMBAのコースなので、平均年齢がやや高めです。平均年齢はおそらく35歳くらいでした(自分は一番年下でした)。圧倒的マイノリティの中、授業が始まりましたが意外にも参加者とはコミュニケーションが取れました。

プログラム内容

授業名は以下のとおり。

・Managing Growth
・Innovation & Entrepreneurship
・Marketing for Entrepreneurs
・Operations for Entrepreneurs
・Corporate Entrepreneurship
・Business Model Innovation
・Entrepreneurial Finance
・Executive Summaries

このプログラムだけではなく、この大学の授業の特徴として、あらゆるビジネスの素養を「自分が起業家だったら」「自分が経営者だったら」の視点で分析・議論します。例えばファイナンスやマーケティングの授業では「自分がチームを背負ったリーダーだったらどういう意思決定するか?」「売却するか?しないか?」などを議論します。
また全ての授業が座学の講義でした。座学といってもいわゆるアメリカ式の授業です。馬蹄式の教室に座り、先生が歩き回り、生徒が質問したり議論したりして先生がそれに答えるスタイルです。
色々な面白い先生がいて、中には白熱しすぎて教卓に立ってしまう先生もいました 笑

以下では授業やコミュニケーションの中で学んだことをいくつか抜粋して書いていきます。そしてその中で自分が特に身につけなければいけないと思ったことを書きます。

英語できないとスタートラインに立てない!

これは一番痛感したことです。上記の通り、ほとんどがスペイン語圏の人たちです。かたや僕は日本語を話すので、お互いが公用語である英語を話す必要があります。初めてアメリカに来た自分にとって、(予想できたことですが、)思ったより英語ができない!
オンライン英会話をやっていたりテキストチャットをしていたので、自分の考えを表現することにはそこまで困りませんでしたが、””聞き取れない””!!

こっちの授業スタイルは発言してナンボです。発言する人には意見や質問が集まり、また発言をします。

質問したり発言したりしたいのに、きちんと聞き取れないのでそれができない!!!これは本当に、本当に悔しかったです。

またもう一つ悔しいことがあります。それがグループワークに関することです。
6人1組でグループを作り、全日程そのグループでワークを行います。1日に2、3回くらいの機会ですが、そこでベースとして使われていた言語は “”スペイン語”” でした。

というのも90%以上の生徒がスペイン語話者なので、ほとんどの班がスペイン語で議論しています。17班のうちおそらくスペイン語が話せない人がいたのは3、4班です。
僕はスペイン語を話せないので、他のメンバーに英語で話してもらうことを頼みます。しかしながらそうはいっても彼らにとっても僕にとっても英語は母語ではないし、なんなら僕の英語は下手なので、

1、僕以外がまずスペイン語で議論する
2、一人のメンバー(英語が流暢に話せる)が僕に翻訳して、確認を取る。意見があれば彼に伝える。1へ。以下ループ

という形に落ち着いていました。正直めちゃくちゃ辛かったです。
更に辛いことに同じ大学の友達の班では、僕と同じ班の構成でしたが、彼が流暢な英語を話せるため常に英語で議論していたそうです。
つまり自分がもっとうまく英語を表現していればこうならなかった可能性があったということです。

おかげでグループワークではあまり価値を出せなかったです。途中なんでここにいるんだっけ?と思ってしまいました。

アトラエでは「世界中の人々を魅了する会社を創る」ことをビジョンにしています。そのための手段として、英語の能力が重視されていますが、恥ずかしながら今回の渡米を通して自分の英語力が全く標準レベルではないことを痛感しました・・・。
挫折経験がその人を強くするとよく言いますが、まさにそれで今習得する理由ができました。

海外における日本企業のプレゼンス

ケーススタディにおいては、議論を円滑にするために、多くの人が知っている企業を取り上げる方がベターです。米国の授業なので、米国の企業がたくさん出てきました。しかし、ケースの全体の3〜4割くらいを日本の企業が占めていることに驚きました。

ざっとメモしましたが、話題として出てきたのは以下の企業。
ソフトバンク、任天堂、SONY、Panasonic、東芝、ユニクロ、NTT、TOYOTA、HONDA、SEGA、SUBARU、CASIO

そしてそのほとんどを、多くの南米の生徒が知っていました。結構これは衝撃でした。面積も広く、人口もずっと多い南米の企業を僕(ら)はあまり知らないのに、逆に南米の生徒が、狭い島国の企業群を知っていました。戦後発展してきた日本企業がグローバルで影響を与えてきた結果だと思います。

またご存知の方も多いかもしれませんが、TOYOTAで頻繁に使われる言葉、例えば「kaizen(改善)」とか「heijun-ka(平準化)」とか「genba(現場)」は英語にはもともと存在しない概念です。正確には、日本語の微妙なニュアンスを表現しきれないそうです。なのでローマ字表記のまま、英単語として普及しています。

最近の注目株は中国

しかしながら近年の新興企業で彼らや先生が知っているものはほとんどないようでした。近年の話題としてシフトしたのは中国の新興企業でした。

バブソンの先生方が揃って近年のビジネスについて口にするのは中国企業でした。写真はAlibabaとTencentの解説のスライドです。
急成長する中国企業の模様を、同じアジアの日本だからこそ間近に感じているのだと思っていましたが、アメリカも同じように注目していました。
しかし同じプログラムの参加者でAlibabaやTencentやDidiなどの中国企業を知っている人はほとんどいませんでした。これはちょっと意外でした。

「バズワードを使うな!」

これも多くの教授が散々言っていたことです。
何かアイデアを発表するときやディスカッションをするとき、こんな場面ないでしょうか?

「アルゴリズムを使ってビッグデータを解析」
「アプリケーションにAIを搭載」

アイデアを発表していたり、議論したりしているようで実はできていません。
あまりにも具体性に欠けますし、このレベルで議論してしまうと後々詰まってしまいます。

もちろんマーケティングで使う分には効果的かもしれません。が、議論の際にはバズワードを避けて、より具体的な言葉を使う必要があります。

伝えたいメッセージは・・・?

Marketing for Entrepreneursの授業でミニゲームがありました。いわゆる伝言ゲームで、最初の人が聞いたメッセージ(3センテンスくらい)を崩壊させずに15人先まで届ける、というもの。もちろん視覚的な情報はなく耳元の囁きだけで伝えます。

15人×3チームが挑戦しましたが、うまくできたチームはありませんでした。
しかし全ての班が印象的な単語やメッセージを覚えていました。
ここからサービスのメッセージで伝えたいことは、より簡潔であり、よりユーザー目線で考える必要があることが伺えます。

ユーザーは長い文章を記憶できません。(悪口のように聞こえますがそうではありません!)
また作り手の伝えたいメッセージと、ユーザーに刺さるメッセージは異なります。

サービスづくりだけではなく、伝え方もユーザーに寄り添って考えようと痛感しました。

みんな数字に強い

Entrepreneurial Financeの授業では自分が創業者だと仮定して、その会社を売るかどうかの意思決定をします。意思決定の材料として、創業者のことや特許技術のことを記述したスクリプト、損益計算書、貸借対照表を渡されます。
クラスが始まると、売る売らないの激しい議論。また売るならいくらの値段をつけるか、他にどういう出口戦略があるか、などを議論します。圧倒されました・・・。

またこれに限らずとにかく数字がたくさん出てくる。
こんなスライドも・・・・笑

授業後みんなの専攻を聞くと、もちろん会計やファイナンスの専攻が多かったですが、中には経済学や心理学を専攻していた生徒もいました。
もちろんMBAコースに所属する学生なので数字に強いということもありますが、それにしても全員が数字を元に意思決定をしているのがとても印象的で、また同時に「自分はその専攻じゃないから」と言い訳をしているのにも気づかされました。めちゃくちゃダサいな自分・・・。

しかも彼らにそのことを話すと、「そう?まあでも読めると結構役に立つよw」と軽く流されました 笑
彼らからするとほぼ当たり前のことなので、そこまで誇らしいことではないのかなと感じました。

全ての人間が全てのことをできる必要はない。言い換えると全員がジェネラリストにならなくても、一人一人がスペシャリストになればいい。しかし今の自分はどちらでもない。そのことを考えさせられました。

起業家視点で考えること

これは今回受けたどの授業においても常に考えたことであり、また正直日本で受けた授業ではあまり考えなかったことです。というかそもそも問題設定が異なるので、考える必要もなかったのですが。

VUCAの時代ではビジネスにおける唯一の正解はありません。手元の最低限の情報をもとに自分で意思決定するかが重要になってきます。

Not Risk Managers, but Uncertainty Navigators

授業で教わった1フレーズです。Riskは数字として示すことができるけど、Uncertaintyはそれができません。

ただ数字を見たり、企業を分析して終わるのではなく、常に「自分だったらどうするか」に結びつけて考える。また答えが1つに定まっていないので、人それぞれの解釈がある。

あらゆるケースにおいて、自分が起業家だったらどういう意思決定をするかを考えたり議論したりするのは本当に勉強になります。他の生徒はどのように現状を捉え、どのように意思決定したかを学ぶことができます。

今回は授業を通してでしたが、普段の会話などでも十分実践できます。忘れがちになりますが、心がけたいと思うきっかけになりました。

これから身につけなければいけないと感じたこと

さて自分がジェネラリストになるかスペシャリストになるかはまだ不明ですが、社会人になるにあたってどちらにせよ”最低限”身につけなければいけないことは明らかになりました。

1、英語でのコミュニケーション
これに尽きます。今回、コミュニケーションに難有りでした。聞くことはもちろん、話すことも流暢とは言えませんでした。
英語学習歴11年目にしてほぼ初めての圧倒的挫折経験でしたが、これでケツに火がついたみたいなものです。

2、ファイナンスの知識
上述の通り。自分が経営者だという意識を持つことはすなわち、会社の価値や将来も考えているということ。

3、筋肉
結構まじめです!こっちに来てみんなガタイがいい!自分も数ヶ月前から筋トレを始めました。が、街中の男性の筋肉が本当に羨ましくて滞在先の夜はずっと筋トレしてました。笑 
同級生が挙手する時に「あいつめっちゃ肩周り筋肉ついてるやん!!」みたいなことも考えてたりもしました。健全な精神は健全な肉体に宿る、これをモットーに筋トレに励みます。

その他、アメリカで過ごして感じたこと

長くなってしまいましたが、アメリカで過ごして(もしかして)と思ったことを書こうと思います。

結論から言うと3点。
1、アメリカって不便!
2、日本は便利すぎる(いい意味でも悪いい意味でも)
3、「不満」の感度を今以上に上げなければいけない

1つずつ書いていきます。

1、アメリカって不便!

日本よりもテクノロジーが発達していて生活が便利なイメージありました。そんなことはなかった!少なくともボストンとニューヨークは!ちなみにただ文句を垂れ流すと言うわけではなく、ちゃんと思ったこともあります。

例えば移動が本当に不便。2週間でuberを合計21回使ったけど、uberないと本当移動はきついなと思った。ニューヨークは全部がキラキラしているイメージがあったけど、中心部を離れるとすぐ広い田舎道に出ます。東京では地下鉄があれば十分に生活できますが、アメリカで本当に車社会だと思いました。車がないとちょっと不便。

また「もう!!!」って思った出来事がコインラインドリー。コインランドリーで洗濯しようと思ったら、「5ドル分入れてください」との表示。手持ちにコインがなかったので両替機で10ドル入れるとこんなことに・・・


(コイン40枚出てきた図)

しかも全部25セントなので、1回の洗濯で20枚挿入するハメに・・・。

2、日本は便利すぎる

ただ、このアメリカって不便!って思ったのは、視点を変えると日本が便利するからでは?とも思いました。実際uberの運転手に「生活不便じゃない?」って聞いたら「あまり思ったことないぜ!」と言われてマジかと思った。

上記の例で言えば東京にはタクシーはないけど地下鉄や電車があらゆるところに張り巡らされています。また生活していて危険な目にあうこともないでしょう。

コインラインドリーではコインがこんなに出てくることは基本的にないでしょう笑
もしこんな風になったらクレームが来るかもなあと思いました。

日本の商品やサービスは本当に世界での評判が高いと思います。uberの運転手に「東京から来たよ!」って言うと大体車とか家電とかの話になります。しかも21回使ったuberのうちほとんどが日本車でした。

そういう風に考えてみたら過度に東京が便利すぎるのではないかと思い始めました。大学を期に福島から上京して来ましたが、基本的に生活で不便に思ったことはありません(強いて言うと家賃が高いことくらいかな)。

そしてこのように便利な生活に慣れてしまうのはすごく危険なことなんじゃないのか?とも思い始めました。

3、「不満」の感度を今以上に上げなければいけない

新しい商品、サービスは往々にして「不満」から生まれます。

「こんなものがあったらいいな」「この商品、もっとこういう風になったらいいのに」

そういう人間の不満(problem(課題)といってもいいかもしれません)から新しいモノが生まれたり、改善が行われます。

uberに乗りながら「確かにこんなに広い土地からはuberは生まれるけど、日本からは生まれなさそうだな・・・」とちょっとだけ思いました。

ではどうすればいいのか?
それは不満の感度を上げる、ということです。今の便利な生活に慣れてしまえば不満はありませんが、常に「こんなものがあったらいいな」「この商品、もっとこういう風になったらいいのに」と考える。

そして「便利へのアンテナ」は外部に向ける。便利なものはすぐに取り入れる。自分たちにはないものは外部から取り入れる。他者(他社)から、他国から取り入れる。

便利な世の中であることを認識し、その上で現状に満足せずに常に不満を探し、改善し続ける。そうすることが必要なのかなと思いました。

最後に

かなり長くなってしまいましたが、自分自身の経験を整理することができました。
これまで海外に出たことない自分でしたが、他国のことを知り、また自国のことを再認識することできるいい機会となりました。

帰りは上海経由で帰国する予定でしたが、台風の影響で3日間上海に滞在していました。結構大変でしたが、中国のお話もたくさんストックできました!今回は割愛しますが、また機会があればそれについて書こうかなと思います。

ここまで読んで下さりありがとうございました!

参考

wikipedia 「バブソン大学」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%A4%A7%E5%AD%A6

日経ビジネスオンライン「謎に包まれたビジネススクール・バブソンに迫る」
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/040800030/041800001/

ABOUTこの記事をかいた人

小倉勇人

19卒の小倉です。 wevox(https://wevox.io/)というサービスでデータ分析とインフラエンジニアをやっています。