強いチームの必要条件

こんにちは、新卒4年目Greenチームの和田です。

先日Next Leader’s Campという2泊3日の社内リーダー研修合宿に参加してきました。

次に参加するメンバーがフレッシュな気持ちで挑めるように、合宿の中身の詳細は言えない約束なのですが、私は合宿を通して強いチームの本質を頭と身体で学んだので、今回はそれについて書こうと思います。
ちょっとだけ長いかもしれないですが、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。

結論から言うと、強いチームの条件は、よく言われがちな磨き抜かれた戦略と戦術、個々人の実行レベルや能力値などではありません。強いチームの本当の中心部分は、高い目標にどれくらい執着してコミットしているか?だと考えています。

誤解のないように言うと、もちろん戦略や戦術、実行レベルの高さが不要だということでは全くありません。順番として、まずは高い目標に対する執着が先にあり、そこに戦略や戦術、実行レベルの高さが乗っかることで、勝率が格段に上がるような感覚でしょうか。

もう少しイメージしやすいように、合宿1日目の研修メンバーの苦い思い出をシェアします。
これは自戒の意味を多く含むのでいまでも非常に耳が痛いのですが…みなさんの仕事の日常でも、大きいレベルか小さいレベルかを問わず、同じようなことが起こっていないか?そんな観点で読んでいただきたいです。

合宿1日目の最後、参加メンバー8人で協力して制限時間内にある目標を達成するアクティビティがありました。

チームで役割分担と作戦をきっちり決めて遂行したのですが、その作戦は途中で失敗してしまい…みんな頭の中では「このままでは達成できないのでは?」と薄々気づきながらも、作戦を変えずに空気を読み合いながら、そのまま進んでしまいました。

要するに、みんな「このままでは死ぬかもしれない」と分かっていながら、誰もアラートもヘルプも出さずに、ただ死ぬことをみんなで待っているだけの状況でした。
これを普段の仕事に当てはめると、非常に恐ろしい事だなと、いまでもヒヤヒヤします。

「このままでは目指すビジョンを実現できないのでは?」
「このままでは売上目標を達成できないかもしれないのでは?」
「このやり方では、顧客の期待を下回るかもしれず、素晴らしい仕事とは言えないのでは?」
「成果を出すためには仲間にここを指摘した方がいいと思うけど、言いにくいな。。。」

こんな事を薄々思いながらも「なんとかなるでしょ」とか「とはいえ方法も思いつかないし、このままやるしかないのでは」など、自分が問題だと思ってること、モヤモヤしていることを看過してしまうことはないでしょうか?

これは勝ちに対する執着が弱い、当事者になりきれていないスタンスです。

本来、本当に目標達成に執着してコミットしていれば、たとえ打開策や答えが自分の中になかったとしても、「このままじゃヤバいんじゃない?自分自身どうすればいいかわからないけど、誰かアイデアない?方法を変えた方がいいと思うんだけど。」と発信すべきです。

それを聞いたチームメンバーが、その状況のヤバさに気付いて、打開策を考えてくれる、もしくは、どうすれば打開策が見つかりそうか議論が自然に生まれるはずです。
もしくは、それを発信したことで議論が生まれ、実は自分の中に誤解や認識のズレがあって、本当は状況がヤバくないことがわかり、チームで認識が揃った状態で実行に戻れるかもしれません。

繰り返しになりますが、一番最悪なのは「自分はここが足りていない気がする」とか「このままじゃマズいんじゃないか」と薄々思いながらも、何も発信しないこと。チームがこのままでは死ぬかもしれないというときに、ただ死を待つだけになっていること。

まさに合宿1日目はこんな状況でした。

もちろんチームが死んでもいいなんて誰も1ミリも思ってないし、みんなそれなりに負けず嫌いなのですが、「少なくともアトラエの次のリーダーを期待されているメンバーなのに、こんなものでいいのか?」と、その夜みんなで非常に深く深く反省しました。

合宿2日目はとにかくみんなで与えられた目標水準以上に高い目標を掲げて、それを達成することに本気で執着して挑みました。
実は合宿1日目は、上記以外にもほとんどのアクティビティで完敗していましたが、合宿2日目は結果としてすべての課題をクリアし、水準としても歴代新記録まで出しました。

冷静に考えると、たった1日ではみんなの思考力も身体能力も、能力値としては何も上がりません。戦略策定能力も実行スキルも変わりません。むしろ疲労が溜まっている。。。笑

変わったのはたった一つだけ、高い目標を掲げ、それに合意し、そこに対して本気で執着してコミットすることです。

目標達成に対する執着があれば、足りない部分は誰かがアラートを出して、自然と改善のための議論が生まれます。そして最初から最後まで高い集中力を維持して、その間アイドルタイムは一切生まれません。各々が目標達成のために最大限できることを考えて本気で実行します。

また、目標達成に全員が合意しているからこそ、強い要求ができることも実感しました。言葉を選ばずに言うと、「達成するって約束しただろ!お前がここをもっと頑張ってくれないと、達成できないから頑張ろうぜ。分からなかったら一緒に考えるから!」これくらい強い要求も自然に起こります。

合宿2日目はお互いの要求が強く、半ば言い合いっぽいシーンもありましたが、お互い勝ちに執着しているので、多少言い方が荒くても全く気にしません。ただ勝ちたいだけなので。

非常に不思議なもので、高い目標を掲げ、約束し、本気でコミットするだけで、チームビルディングを考えたり、お互いのエンゲージメントを気遣うことは一切なくても、結果的にパフォーマンスが高く団結力のあるチームが出来上がっていたのがいまでも非常に感慨深いです。

そのときに身を持って、強いチームの本当の中心部分は、高い目標にどれくらい執着してコミットしているか?なのだと確信的な学びがありました。

また誤解のないように言うと、執着するということは、必ずしも「とにかく長時間働こう」ということではなく「各々がチームの勝率を上げるために最大限の行動ができているか?」という話です。

私たちは天才集団じゃないので、自分たちの能力の初期値だけで手なりにやっても、想像を超える成果は多分出ないです。高い目標を掲げ、そこに執着してコミットするからこそ、みんなで知恵を絞り、工夫が生まれ、足りない部分はコストを払ってでも補い、個々人の掛け算が生まれて、想像を超える成果が出るものなんだと思います。

この合宿での学びが本物なのか、本当に意味のあることだったのか、それは私を含めた合宿メンバーの今後の振る舞いで決まるので、これは社内向けのメッセージですが、ぜひ上記を前提にこれからは合宿メンバーにフィードバックをください。

「最近和田弛んでるんじゃない?執着足りてなくね?」って思ったら、絶対に遠慮なく言ってください。

以上です!